地域の演劇人と話していると、「全国区」という言葉がよく出ます。人気のあるカンパニーを指して、「あそこは全国区だから」などと使います。京阪神はプライドがあるせいか、あまり口にしないほうだと思いますが、それでも耳にすることがあります。
私はこの言葉が嫌いで、関西在住のころも絶対に使いませんでした。最初から世界を二つに分けてどうするんでしょう。東京の演劇人は、若手であっても「全国区」なんて言いません。がんばればそこが「全国区」になると知っているからです。
「全国区」と口にする人は、最初から自分たちは「全国区」になり得ないとあきらめていませんか。世の中を線引きして、自ら目標を低くしていませんか。たとえ東京でなくても、がんばればそこが「全国区」でしょうが。
演劇に限らないとは思いますが、東京の中心性といいますか、
地域から見た場合、
「全国区」=「東京区」:東京発信の情報に載る、東京で評判になる(それには東京公演を行うことが大前提)
なので東京の人は言わない…ってことはないでしょうか?
そうですね。マスコミが東京に一極集中しているため、東京にはローカル番組や地域誌という意識がほとんどありません。実際には東京限定の番組や雑誌もありますが、多くが全国で放送・販売されてます。なので、メディアで扱われること=全国に伝わることなのです。
東京で話題になることは必要だと思いますが、必ずしも東京公演が前提ではないと思います。他地域の公演であっても、東京で話題になりさえすればいいのです。