大阪の文化政策への一意見

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前回のように、月末ギリギリになる前に書くつもりが…むしろ日付が変わってしまいました!!
一月遅れですが、あけましておめでとうございます。大阪の間屋口です。

途中まで書きかけていたんですが、あ、これも書きたい! これも触れなきゃ!とか思っているうちに月末になりました。

さて、言い訳はこれぐらいにして、2012年は大阪は激動と転換の年になりそうです。

大阪で、その大きな流れにの中心にあるのは、やはり橋下新市長と維新の会です。
大阪市は非常にざっくりと言ってしまいますと、職員によるボトムアップ型の組織であったらしいですが、強力なリーダーシップを市長と議会が協力して取る体制が生まれたためにトップダウン型の組織に移行しようとしています。
これが、文化・芸術の分野でもいろんな影響を与えてきているように思います。

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劇場・音楽堂在り方まとめ案の見過ごせない修正

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劇場・音楽堂等の制度的な在り方に関する検討会(第11回)議事次第
が、公開されました。ここで公開された「劇場,音楽堂等の制度的な在り方に関するまとめ(案)」に見過ごせない修正があり、憂慮しています。

その部分とは、まとめ案の結論である「法的基盤の内容として考えられる事項」の
(1)総論 ① 劇場、音楽堂等の機能を生かした文化芸術の振興に関する国及び地方公共団体の責務 にあります。

まず、こちらは平成23年11月15日時点での記述です。こちらの記述がパブコメの対象となっておりました。

231115.png

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第三舞台は変わらない。そして、変わり続ける。

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本日は第三舞台解散公演大楽。YouTubeに投稿されている「劇団第三舞台サウンドトラック vol.1~3 : Thaks The Third Stage」がすごい。ファンが作成したもので、よくぞここまでつくったなと思う。

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「支配人」から「プログラムディレクター」へ

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津あけぼの座の攻めの姿勢が目立つ。昨年11月に三重県文化会館と共同主催した、まちなか飲食店リーディング公演「M-PAD2011 おいしくてあたらしい料理と演劇のたのしみかた」が大盛況に終わったが、同じく11月に特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえとして認証され、新たなスタートを切った。NPO法人代表理事には津あけぼの座支配人の油田晃氏が就任し、同時に肩書をプログラムディレクターに改めた。3月に津市中心部にオープンする、2館目の津あけぼの座スクエアの運営も行なっていく。

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2011年の大阪の小劇場を簡単に振り返って

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どうも大変ご無沙汰をしております。
大阪の間屋口です。

先日、ラウンドテーブル&ケーススタディ「地域での小劇場ロングランをめざして」に行った時に、荻野さんにブログを書いていないことを指摘いただきまして、「これから月1で書かせていただきます。」と言ったものの、ようやく書けたのが12月の最終日で申し訳ありません。さて、何を書こうか悩みましたが、大晦日なので「個人的な今年の大阪の小劇場の振り返り」を書きます。

2011年は本当にいろいろなことがあった年で、日本や世界にとって大きなターニングポイントになる年だと言われていますが、大阪の小劇場でも同様にターニングポイントになる年のように思われます。

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短すぎる公演日程や早すぎる開演時間の演劇は公共性がない(2)

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平田オリザ著『芸術立国論』(集英社、2001年)では、公共性という概念は「ある/ない」ではなく、「高い/低い」を問われるべきだとした。これは私もそのとおりだと思う。演劇や劇場について語るとき、当然「高い/低い」で考えるべきだろう。だが、具体的な一つ一つの公演日程や開演時間についてはどうなのか。「演劇の公共性」という概念が一人歩きをしてしまい、「公共性がある」ことを大前提にしていると、そこで思考停止になってしまわないか。こうした興行に関わる具体的な課題に関しては、「ある/ない」の視点で考えることも必要だと私は思う。

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短すぎる公演日程や早すぎる開演時間の演劇は公共性がない

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11月19日~20日に京都でNPO法人フリンジシアタープロジェクトと開催したラウンドテーブル&ケーススタディ「地域での小劇場ロングランをめざして」は、長期に渡るロングランというより、週末だけの公演が多い地域で、1日単位でいいから公演日数を延ばしていこうという思いを込めた企画だった。

京都で開催したのは、特に京阪神で公演日数の短縮が著しいと感じたからである。90年代は京阪神でも1週間単位の公演がめずらしくなかったが、最近は4日間程度で目立つ印象があり、千秋楽を月曜や火曜に設定するケースも限られている。

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CoRich舞台芸術!に期待するもの

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12月18日の荻野さんのエントリー「CoRich舞台芸術!」のクチコミはレビュアーごとの加重平均にすべきを拝読しました。
このエントリーの主要な部分について、まったく賛成です。その改善をすることにこれといったデメリットもなく、メリットのみがあるご意見だと思います。

残りの2割程度の部分、傍論の部分について、私とは立場が違う部分もありましたので、若干、補足させていただければと思います。

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「CoRich舞台芸術!」のクチコミはレビュアーごとの加重平均にすべき

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飲食店を探すとき、掲載店とクチコミの多さで「食べログ」を使うことが多い。そこで感じるのが評価の厳しさだ。5点満点だが、過去に利用して「これは4点台だろう」と思った店が3点台前半ということがよくある。それどころか、4点台はめったにお目にかからない。それもそのはずで、「点数について」を見ると4.0以上の店は全体の0.5%未満なのだ。3.0が「一般的な満足度のお店」、3.5になると「満足度の高いお店」「ほとんど失敗はしないでしょう」 になる。「食べログ」がこれだけ言い切れる背景には、意図的な点数操作を徹底的に排除したレビュアーごとの加重平均ロジックがある。

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「小室明子の札幌演劇かいわい」が北海道新聞に連載

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北海道を代表する制作者である小室明子氏(NPO法人コンカリーニョ演劇プログラムディレクター)が、北海道新聞に新連載「小室明子の札幌演劇かいわい」を11月21日から開始した。毎月第3月曜日夕刊に掲載されるらしい。

初回の内容は、もちろん毎年11月に開催される「札幌劇場祭 Theater Go Round 2011」。6年目の今年は例年になく盛り上がっているそうだが、今回は東日本大震災が間違いなく作品に影響を与えているとして、こう記している。

表現をする人の多くが、演劇とはなにか、自分の表現とは何かにいやが応でも向き合ったはず。直接的でなくとも、震災を連想させる場面に出合うことも多く、そのたびに「忘れてはいけないのだ」という思いを強くする。報道で状況を見るのとは違う、「私」の問題として日本が抱える問題と再び向き合うこととなる。きっとこれが演劇の力だ。

来月以降も演劇の魅力や舞台裏、最近の傾向などを紹介していくそうだ。北海道新聞が読める方は注目していただきたい。