「fringeスケジューラ」近1年の制作者向けイベント326本を分析してみた

カテゴリー: フリンジのリフジン | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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「fringeスケジューラ」を提供開始してから1年が経過した。この間(2022年8月~23年7月)の制作者向けイベント326本の開催状況を分析したので、今後の開催時期、内容の参考にしていただきたい。

制作者向けの内容で、任意団体やフリーランスの制作者でも応募出来る講座・ワークショップとし、講座が明確に分かれているものは通し受講であっても講座の回数分カウントした。長期間に及ぶ研修事業やインターンは含まない。

まず、月別の開催数は次のとおり。第1四半期(4月~6月)は予算成立直後なので少ない。4月は13本で、最も多い1月40本の3分の1未満だ。この時期は公演数も少なく、年度始めで体制も変わっていることから、本来ならこの時期にこそ講座・ワークショップを開催すべきではないだろうか。主催する側の都合ではなく、受ける側の都合に合わせていきたい。

月別開催数

次に、内容をテーマ別に分類してみた。「ハラスメント、ジェンダー、LGBTQ」関連が43本と最も多く、人材育成などの「キャリア形成」、劇場法施行10周年や芸術監督交代などのトピックが重なった「劇場法、劇場論、芸術監督」が30本でそれに続いた。「コロナ禍」に特化したものは4本と少なかったが、「意見交換」として開催された23本の中で語られていると思う。集客・創客に直結する「広報、宣伝、営業」は12本だったが、芸術と興行が不可分の関係にあるのが舞台芸術の特性で、創造しやすい環境を整備することと創造を観客に届けることは、どちらも欠かせない両輪だ。マーケティング関連の講座・ワークショップがもっと活発に開催されてもいい。

テーマ別開催数

配信の有無

配信の有無で集計すると、全体の41%が配信ありだった。配信の有無がわかる形で、開催地別(配信のみの場合は主催者の本拠地)で集計すると、東京が152本と全体の47%を占めるが、そのうち配信ありのイベントが86本で東京開催の58%に達し、地域格差が緩和されていると感じる。全国どこからでも東京の講座・ワークショップが受講出来ることは大きく、無料のものも多い。配信が可能にした変化を享受し、地域在住の制作者も大いに知見を広げてほしい。

都道府県別開催数