演劇の創客について考える/(9)「わたしがさくらプラザに行かない理由」への回答

カテゴリー: 演劇の創客について考える | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

Pocket

●分割掲載です。初めての方は(予告)から順にご覧ください。

本連載の「(1)『わたしがさくらプラザに行かない理由』」で取り上げた、さくらプラザ(横浜市戸塚区民文化センター)の開館2周年企画作文コンクールの結果が同サイトで発表されています。

さくらプラザサイト「さくらプラザ開館2周年企画 作文コンクール 結果発表!」

最優秀作品は該当なしでしたが、優秀賞1作品、佳作5作品が掲載されています。コンサートホール中心の施設だけに、音楽には関心があるが広報が不足しているとの指摘が多いようです。

作文にも書かれていますが、さくらプラザはJR戸塚駅直結で、アクセス至便と言っていいと思います。隔月開催の金曜20時開演「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全32曲」も目玉企画だと思います。イベントの認知が高まれば、来場者は必ず増えるでしょう。

佳作には、衛紀生氏の改革で知られる可児市文化創造センターがある岐阜県可児市からの応募もあり、イベント時しか人が集まらない施設の限界を指摘しています。ライブラリー(情報コーナー)を併設している施設との比較は厳しい面もありますが、日常的に集客を図る企画なら、いろいろ考えられます。

例えば、さくらプラザのホールではコンサートに加えて落語も主催していますが、これをもっと増やして例会にしたらいいと思います。王子小劇場(東京・王子)、川崎市アートセンターアルテリオ小劇場(川崎・新百合ヶ丘駅)、津あけぼの座(三重・津)のように、演劇中心の小劇場でも寄席で近隣住民の認知を高め、稼働率を上げている事例が少なくありません。落語は会場を選びません。普段馴染みのないコンサートホールへの誘いにもなるでしょう。

昨年8月に開館1周年記念で実施した「特設プラネタリウム~さくらプラザに輝く戸塚の夜空~」も好企画だと思います。多目的室に直径約5メートルの特設プラネタリウムを設置したもので、チェロの生演奏が入った大人向けの特別篇「~ひとときの宇宙旅行 弦の調べと星空に酔いしれて~」もありました。

一般的にプラネタリウムの投影番組は子供向けのものが多く、大人向けでも科学分野に走りがちで、ロマンチックな星空散策に特化したものはあまり見かけません。コンサートホールの強みを活かし、音楽+αのイベントを積極的に発信していけば、全国的にもユニークなホールになっていくのではないでしょうか。

開館1周年記念では、ギャラリーで子供向けの「JAZZレコードジャケット展~どうぶつとのりものがいっぱい!~」を開催していますが、大人向けにギャラリーでジャケット展を開き、それに収録された名曲をホールで生演奏する企画があってもいいのではないでしょうか。

前の記事 演劇の創客について考える/(8)劇場の劣悪な客席を敬遠する観客を呼び戻す切り札として、映画館での「上演」を真剣に考えよう
次の記事 演劇の創客について考える/(10)公共ホールが社会的実証実験として超人気作品のロングランをすれば、観劇人口は絶対に増える