この記事は2007年11月に掲載されたものです。
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ダブルのカーテンコール

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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ONEOR8『ゼブラ』を11月11日マチネで観ました。カンパニー自らこれを代表作にすると宣言して再演したもので、非常にウェルメイドな作品だったと思います。同時期旗揚げのTHE SHAMPOO HATグリングが話題になる中、ONEOR8があまり目立たない感がここ数年ありましたが、それを払拭する話題性のある再演だったと思います。

私が観た回はカーテンコールがダブルであったのですが、劇団員がそれに慣れていない様子で、「初めての経験なので」と言ったのには驚きました。10年間やってきて、ダブルは初めてだったのですね。それはさぞうれしいことでしょう。

カーテンコールのダブルがあるかどうかは、作風以外に地域性もかなりあると聞きます。小劇場系に限れば、首都圏は他地域よりダブルはかかりにくいのではないかと感じています。涙ぐんでいる俳優もいて、感慨深いものがありました。

若くして離婚した母親に育てられた四姉妹が、その葬儀に際して織り成す人生模様を描いたもので、各自のパートナーや葬儀社を巻き込んだコメディです。ONEOR8は人為的な笑いが目立つのが弱点なのですが、今回は四姉妹のキャラクターとエピソードの融合、間とテンポのよさがそれを補ったことが成功の理由でしょう。

個人的には、ラストの2シーン(回想と電話)は不要だったと思います。その前で終わったほうが、より観客の想像力に訴えたのではないかと思います。難しいところだと思いますが、この2シーンの有無で集団の方向性がかなり変わるのではないかと感じました。

ONEOR8は代表者を特に決めていなかったということで、10周年を期に俳優の恩田隆一氏が代表に就任したそうです。決め手はカンパニーで唯一2トントラックを運転出来るからということで、カーテンコールの挨拶も恩田氏が務めていました。