この記事は2007年9月に掲載されたものです。
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札幌にこれ以上芝居小屋は必要か

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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毎日新聞北海道支社報道部副部長の浜田俊宏記者が、北海道支社版8月30日付朝刊にこんなコラムを書いています。

MSN毎日インタラクティブ「デスク席:札幌に芝居小屋を/北海道」

「札幌には小さな劇場はあるが立派すぎる」として、「50人も入れば満員になる、地下のライブハウスのような空間」がもっと繁華街に欲しいそうです。

BLOCH(120名)やシアターZOO(90名)やパトス(150名)じゃダメなんでしょうか。札幌で必要なのは、まずは現在ある劇場の稼働率を上げることで、そこで常時公演が行なわれるようにすることだと思います。

浜田記者の趣旨は、若手が使いやすい小規模で安価な劇場があればということだと思いますが、だったら飲食店で上演するとか、いくらでも方法はあります。これは上演する側が自ら開拓すべきことで、環境のせいにすべきことではないと思います。

確かにキャパ50名の小屋なら劇場費は手頃な金額になると思いますが、1席あたりの単価で計算すると、小さい劇場ほど割高になる傾向があります。これを複数日やれば、逆に上記の劇場より費用がかかることになります。小劇場が全くない地域なら意味があると思いますが、札幌でいまから50名の劇場が必要でしょうか。既存の劇場を2団体でシェアして使うとか、公演費用を抑える工夫はほかにもいろいろあります。

これ以上ハードを増やしても仕方ないわけで、札幌に求められているのは人材育成などソフト面の強化、そしてなによりも演劇人の意識改革でしょう。浜田記者の主張は自身の学生時代の経験のみに偏っているようで、気になります。「札幌で演劇文化をつくり出す第一歩になると思う」と締めくくっていますが、札幌にもちゃんと演劇文化はあります。


札幌にこれ以上芝居小屋は必要か」への2件のフィードバック

  1. 高崎大志

    サイトみましたけど、たしかに内容については評価しづらいですね。

    この人、かなりアツイ人っぽいです。
    テラヤマ以外は認めないとなると、どうにもならないですが、ポストがポストだけに、地域演劇に共感を持ってもらえるようになれば、かなり強力な支援者になってもらえるのではなかろうかと。

  2. 小室明子

    >50人も入れば満員になる、地下のライブハウスのような空間

    ありますけどね。まあ、繁華街じゃないですけど。

    私は全然、存じ上げない方ですが、本当に札幌の演劇を観ているのか、と疑問に思います。
    今度、会いに行ってみます。

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