情報整理のノウハウ本は多数ありますが、注目すべき新刊が出ました。理論の章もありますが、本書の真骨頂は全体の4割以上を占めるアナログな文房具による工夫の紹介です。編者である株式会社企画工学研究所の事例写真をふんだんに掲載し、演劇制作の現場にも今日から使えるアイデア満載です。理論の手書きイラストも非常にわかりやすいです。
図解 創造的‹情報›整理術
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ソフトバンク クリエイティブ
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本書で注目すべき点は、単なる個人の情報整理ではなく、チームで動いている場合の情報共有・進行管理をどうするかを、文房具をベースにした運用ルールの確立で実現していることです。制作者の事務所はもちろん、劇場での当日運営でも非常に参考になるのではないでしょうか。お手伝いさんを使わなければならない当日運営でルールの周知徹底がいかに大切か、制作者なら骨の髄まで身に染みているはず。
誤解のないよう書いておきますが、本書はパソコンでの情報整理を否定しているのではなく、企画工学研究所でも仕事の中心はパソコンです。しかし、いくらデジタル化が進んでも紙がなくなることはないし、情報整理の考え方は同じです。要は両方を上手く使え、文房具だって見方を変えればアナログな〈情報機器〉ではないかというのが、本書の主張だと思います。
企画工学研究所はワタミのコンサルティングで知られていますが、クライアントリストには劇団ふるさときゃらばんの名前もあります。