この記事は2010年5月に掲載されたものです。
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芸文助成制度による中央一極集中の緩和

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

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芸文助成金の県別採択状況で採択団体数が、東京都の団体に集中していることの理由について考えてみます。

まず、もっとも大きな理由として東京都の団体が多いこと、東京からの応募が多いことが考えられます。

東京都の団体が多く、応募も多いのは間違いないでしょう。東京都の応募団体数の比率が、東京都の採択団体数の比率を上回っているか同率であるようならば、ある種の公平性は満たしていると言えます。

次に、審査が東京でおこなわれ、東京以外の状況に詳しくない東京在住の審査員が多いことがかんがえられます。実際に見たことがないカンパニーを責任をもって推薦するのは、審査員にとってもためらわれるものがあるでしょう。
実際に見たり、評判を聞いたりしている団体に重点がおかれるのは当然で、こちらは審査員個人の問題より、システムの問題でしょう。

また技術的に難しい面はありますが、応募率についても検証が必要です。「応募数÷その地域の団体数」の率が東京とそれ以外で差がある可能性があります。

私は、東京都の団体の応募率は他地域と比較して高いと推測しています。
現在、芸文の説明会は東京と大阪でしか行われていません。
説明会の効果は、せいぜい同一都市圏内に限られ、それ以外の地域では、より時間や労力をさいて情報を取りに行かねばならず、この情報格差が応募率に影響を及ぼしていそうです。

これらの問題を一挙に解決するためには、道州単位で予算を配分し、道州単位で審査するというのがベストですが、これには年月を要しそうです。

まずは、より多くの地域の表現団体等に説明会の内容を届けることから初めてはどうでしょうか。

最近、インターネットによるネット中継や、twitterによる実況中継など、低コストで情報格差を生まない説明会の方法が現実的になってきました。
先日の「コミュニケーション教育推進会議」は、文部科学省がインターネットによりライブ配信を行いました。ここまでくれば、芸術文化振興基金としても、水面下でこの方法を検討しているかもしれません。

また審査員も、多様な地域の審査員を登用する、東京以外の演劇状況にも詳しい審査員を登用するなどの工夫があれば、芸術文化振興基金は中央一極集中の緩和に大きな役割を果たし、さらに意義ある助成制度になるでしょう。