岩手県立花巻南高校演劇部の顧問の方によるウェブログ「ちょっとオジャマします。」によると、岩手では大阪のHIGHSCHOOL PLAY FESTIVAL(HPF)のような試みは普通のようです。さすが、演劇が盛んな土地柄だと思います。
さらには、IDなる高校生による制作サポート集団が一時期立ち上がっていた経緯もあります。照明の仕込みや音響の仕込みも、会館職員に指導してもらって生徒たちがやっているのです。
同校の公式サイトを拝見しましたが、以前から体育コースや国際科があり、現在はこれをベースにした総合選択制の高校です。韓国やハワイの高校と姉妹校協定を結び、国際科学学系は4コースに分かれた海外修学旅行があるなど、見ただけで部活動も盛んそうです。トップページに学校紹介のRealVideoが置いてあるのに驚きましたが、岩手県教育委員会の運営する「いわて教育情報ネットワーク」からストリーム配信しているのですね。
この演劇部は年平均7回と、公演数の多さが目を引きます。「時中堂」と呼ばれる敷地内の研修施設を劇場にしているようで、大学演劇部に負けない活動ぶりです。このゴールデンウィークも新歓公演があって、休演日を挟んで4日間7ステージという高校生らしからぬ日程です。頼もしいと思います。この方の薫陶を受け、さらに人材が育つことを期待します。
コンクール形式の功罪、戯曲をオリジナルにすべきかどうかについては、前のアーティクルでいただいたコメントが非常に参考になり、顧問の方々が想像以上に開かれたお考えをお持ちのことがわかりました。現場ではコンクールがそれなりに機能していることも理解出来ます。ただ、もう少しだけ高校生たちにオリジナル戯曲(生徒創作)の価値を学ばせてください。経験のない高校生が、最初は既製戯曲から始めるのは仕方ないことかも知れませんが、だからといって「60分にテキストレジーしていいのか」というところから本当は議論してほしいのです。
私自身は高校時代、放送部でした。こちらの世界も全国高校放送コンテストという「甲子園」がありまして、他校としのぎを削ったものです。放送コンテストには、アナウンスや朗読といった純粋な技術を競う部門のほか、ドラマやドキュメンタリーを制作する番組部門があり、これは完全なオリジナル作品でした。放送部はゼロから作品をつくる精神を叩き込まれますので、私が演劇部を不思議に感じる根っこはそこにあるのかも知れません。県大会の審査員も厳しかったですよ。中ホール規模のところで開催するのですが、満座で酷評され、泣き出す生徒もいました。ただ、専門家に怒ってもらう経験さえ初めてだった私たちはそれが新鮮で、逆に感動しました。次はその審査員を見返すことを目標にしたものです。クリエイティブなことをしているのだから、それくらいの厳しさがあって当然という意識を、高校生ながら全員が持っていたと思います。
(参考)
高校演劇の不思議
続々・高校演劇の不思議
高校演劇の不思議4
とりあげていたただきありがとうございます。
さて、岩手の会館は生徒たちにとても親切で、機材類も直接操作させていただけます。どんなに注意しても危険はつきものですから、どこまでやらせていただけるかは、その会館の判断によると思います。(仕込みからやらせることが親切かどうかの議論の余地はありますが…)
ちなみに、部活動内の範囲であれば、万一の人身事故の場合は学校保険が適応されます。が、そうでない場合は、心配されます。ID(現在は、解散)は、高校活動外でしたが、盛岡絶賛系HP主宰の沢野さんが完全サポートをして、掛け捨ての団体保険に加入したりしたようです。こういったサポート(指導)をしていただけると未成年者の活動は、保護者も同意しやすくなると思います。
未成年の場合、本人の同意だけではなく、保護者の同意が必要であることは確かです。また、その同意を得られれば、いろいろなことにチャレンジできるのも事実ですね。