この記事は2004年6月に掲載されたものです。
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スタッフパスは目立つ位置に

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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「某日観劇録」「受付スタッフはスーツを着ないのか」。これもまた、考えさせられる指摘です。

私はスーツを着ない制作者とスーツが作業着の社会人、どちらの心境も理解しているつもりですが、少し制作者寄りの書き方をすると「小劇場ではスーツを着たくても着られない場合がある」ことも事実だと思います。

同じカンパニーでも、中劇場でやるときはちゃんとスーツ姿のときがあります。中劇場だと楽屋にも余裕があり、施錠出来る制作者用の控え室を確保出来る場合があります。これなら貴重品を置いたり、着替えも自由に出来るわけですが、小劇場だと役者の鏡前すら足りなくて、開場直前までロビーにブルーシート敷いて楽屋代わりに使っていることさえあります。貴重品もすべてウエストポーチで身に着けていなければなりません。制作者の多くはウエストポーチをしていますが、これがまたスーツとは似合わないんですよね。展示会ではスーツで搬入はやっても、ペンキまでは塗らないでしょう。でも、演劇では現場でペンキを塗ることもある。そこまで裏の事情を考えると、「絶対にスーツ着用」とは言えないのが正直な気持ちです。

しかし、サービス業の観点から言えば、スーツ姿のほうが識別されやすいし、レセプショニストとしての心構えが出来るのは当然です。物理的に許せばスーツがいいと制作者自身も思っているはずですから、無理をしてでも着替えの時間は設けたいものですね。

小劇場でも統一された服装でのおもてなし。これが実現出来れば、それだけで話題になるのは、ポかリン記憶舎和服美女などで実証されています。手ごろな差別化として、どのカンパニーでも実践出来ることではないでしょうか。

服装の問題もそうですが、いますぐ改善出来る点として、私はスタッフパスの付け方が気になります。これこそスタッフかどうかを識別するために付けるのですから、目立つ位置にないと意味がありません。それを安全ピンで止めるタイプだと、腰や肩に付ける人がけっこういます。ファッションとしてはそちらのほうがベターでしょうが、これは目的が違うのです。パスの目的から説明するのは情けないことですが、そうやって説明して自覚させていくのが、受付チーフの役割だと思います。


スタッフパスは目立つ位置に」への2件のフィードバック

  1. オガワシンサク

    どうなんでしょう
    演劇はエンターテイメントです。
    制作の人間が作品を理解し、作品に入り込みやすい雰囲気作りとして、スーツではないと理解すれば別にスーツではある必要はないと思います。
    ここって意見が分かれそうですよね

    ただ、スタッフだとわかる目印は必要だと思います。
    むしろ、スタッフだとわかる格好をしているからこそ
    自分の一挙一動に対して自覚を覚えて欲しいってのは
    あるんので・・・

  2. 土田真巳

    自分の場合、制作と音響を兼ねていて、公演の開場中、調光室と受付を行き来する事が多いもので、「作業着だけど受付に立つ」と「スーツだけどオペをする」、どちらを取るか、公演の度に迷います。
    …迷うのですが、結局毎回、作業着にストップウォッチを首から提げて受付にいる自分がいます。
    他の人間に受付立ってもらう場合も、「着たくても着られない」場合がやはり多いです、正直。

    せめて、お客様に対して『”スーツを着る位の気構え”を持って、受付業務を』と思っておりますが…
    スタッフの中で唯一、お客様に直に接するポジションですから、重要視したいのはやまやまなのですけれども。難しいですね。

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