ついに、平成19年度の文化庁芸術創造活動重点支援事業、芸術文化振興基金助成金、舞台芸術振興事業助成金から企画制作料が助成対象経費になりました。それに加え、稽古場借料(定期的な練習は除く)や入場券等販売手数料、さらには託児謝金も追加され、これは平成2年の芸術文化振興基金創設以来の大ニュースだと思います。
企画制作料には、「事務職員の給与や事務所維持費のような管理経費ではなく、助成(支援)対象公演における企画・制作等に直接関わるスタッフ人件費が対象」との但書が付いています。
制作者の人件費の原価算入を認めましょうという趣旨ですから、法人化しているカンパニーの社員制作者の給与も助成対象になるはずですが、小規模な法人では現業と管理が明確に分かれていないと思いますので、制作者が俳優のマネジメントを兼務したり、総務・経理業務することは日常茶飯事でしょう。この辺は業務実態に即した按分をして、説得力を持った金額を算出することが必要です。
「企画・制作等」の解釈ですが、販売(票券管理、広報宣伝、営業)に携わる制作者も対象になるはずです。舞台芸術は創作と興行が不可分の表現ですから、興行面を担当する制作者の人件費も含まれるはずです。入場券等販売手数料も助成対象経費になりましたので、それと同じ考えです。
fringe読者の申請区分は、芸術文化振興基金なら「現代舞台芸術創造普及活動(演劇)」か「先駆的・実験的芸術創造活動」だと思いますが、「アマチュア等の文化団体活動」では企画制作料は認められていません。つまり、プロフェッショナルの制作者だけに認められた費目ということになります。任意団体が申請する場合は、この点を充分に踏まえてプロフェッショナルかつ公共性のある姿勢を見せてほしいと思います。
芸団協が10月6日に開く「支援制度の改定にむけて、実務担当者のラウンドテーブル」(演劇団体)では、改定の背景や目指すところを話し合うようです。文化庁と検討を重ねてきた芸団協の主催する企画ですので、正確な解釈が聞けるものと思います。助成申請を予定されている制作者必見です。定員50名なので、いますぐお申し込みください。
私は先日、文化庁の支援事業の一環でシンポジウムに参加してきました。内容は養老孟司氏の講演と、そのあと市長らの鼎談(ていだん)とかでした。そのとき感じたことを書いているので、もしよかったら読んで考えていただけないでしょうか。