この記事は2016年10月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



芸術文化振興基金 8年間の都道府県別採択状況をみて

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

Pocket

芸術文化振興基金 助成実績
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin/about/results.html

 平成28年度の結果から、現代舞台芸術創造普及活動(演劇部門)の採択を東京・非東京にわけてグラフ化したものが、以下の表です。
 棒グラフは内定額の総額 青線は非東京の件数ベースでの比率 ピンクは金額ベースでの比率です。

kikinsuii

 非東京地域の件数や金額は微増しており、これらが減っていないことには安堵しています。

 今年は、演劇分野において「文化芸術振興費補助金(旧:トップレベルの舞台芸術創造事業)」「芸術文化振興基金」の合計額を集計してみました。

goukei

 東京の割合が7割を超えています。

 首都圏の人口は、この国の1/3です。そこに7割を超える予算が配分されていることが、私にはどうしても不公平に感じられます。
 これまでも言ってきたことですが、私は、東京という地域の重要性や特殊性を考慮するとしても、全予算の50%程度が東京に配分され、残りの50%程度を東京以外の地域に配分するのがバランスのいいあり方だという立場です。
 トータルで見るならば、やはり東京一極集中を助長するような結果になっていると思います。

 「文化芸術振興費補助金(旧:トップレベルの舞台芸術創造事業)」については、これが東京に集中するのは、現状やむを得ないことだと思います。さしあたっては「芸術文化振興基金」に修正の余地が大きいと考えます。

 事務レベルでは、制度の微修正しかできないこともよく承知しております。本助成制度に関わる各層は、この事実を直視し、日本の演劇シーンの地域格差の改善に努めて欲しいと思います。