この記事は2013年3月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



芸術文化振興基金5年間の都道府県別採択状況に思う

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

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芸文助成の採択団体の都道府県が記載されるようになって今回で5回目になります。
これまでの5回の現代舞台芸術創造普及活動(演劇部門)の都道府県別の採択状況を調べていましたが、東京都以外に所在する団体の占める割合が増加傾向にあるようです。

グラフ

棒グラフになっているのは、現代舞台芸術創造普及活動(演劇部門)の内定額総額の推移です。芸術文化振興基金の全体の内定総額が下がっていることの影響を受けているようです。景気の回復や株価の上昇など来年度以降の額の増加を期待したいところです。

一方、折れ線グラフになっているのが、東京都以外に所在する団体の占める割合です。
件数、金額とも増加傾向にあるようです。
東京以外の団体の占める割合が件数ベースで50%になったということを特筆しておきたいと思います。

東京以外からの応募が増えたのか、東京以外から良企画の申請が増えたのか、政策的な調整を行った結果なのか。さしあたってはそのような理由が考えられますが、実際のところがどうなのかはよくわかりません。
いずれにしてもいい傾向だと思いますが、政策的な調整があったのだとすれば、その判断には敬意を表するほかありません。

いろんな立場からの意見があるでしょうが、私は、東京という地域の重要性や特殊性を考慮するとしても、全予算の50%程度が東京に配分され、残りの50%程度を東京以外の地域に配分するのがバランスのいいあり方だという立場です。
早くその状況を達成してほしいものです。

道半ばではありますが、採択件数の比率で東京以外の採択が50%になったということは、地域間格差の緩和に一歩前進したと理解しています。

5年間の基礎データを以下からダウンロード出来るようにしています。
H21-25data.xls

関連ブログ

国政府が文化政策を考えるとき、7割位は東京のことしか考えてない 2011年04月02日
http://fringe.jp/blog/archives/2011/04/02083036.html

芸文助成金の県別採択状況(金額別)2009年07月11日
http://fringe.jp/blog/archives/2009/07/11103753.html

芸文県別採択状況 2009年05月01日
http://fringe.jp/blog/archives/2009/05/01062801.html

芸術文化振興基金、対象決定 2009年03月28日
http://fringe.jp/blog/archives/2009/03/28202122.html

(参考)
芸術文化振興基金総額の推移
平成19年度 総額 16.7億
平成20年度 総額 16.5億
平成21年度 総額 12.9億
平成22年度 総額 15.6億
平成23年度 総額 15.0億
平成24年度 総額 13.3億
平成25年度 総額 12.1億