fringeブログ「さくてき博多一本締め」を担当している高崎です。
今年の8月下旬に公演初日を迎える、福岡・九州地域演劇祭の総合プロデューサーをしています。
本企画のうち他地域でも参考・応用になると思われる部分について、書いていきたいと思います。
福岡・九州地域演劇祭を思い立った理由は多々あります。また、いろいろな要素がうまく結びついて成立した企画でもありますので、一つの理由・目的も集約されるという単純なものではありませんが、そのうちの一つについて触れたいと思います。
その理由・目的の一つに地域の表現のクオリティをあげるというものがあります。
表現者が成長しやすい環境とはなにかと考えたときに、もっとも大きなものは表現者の相互刺激の環境にあると考えています。
これはあいつには負けたくないというライバルのような表現者の存在だったり、心に響くアドバイスをする先輩の表現者の存在であると考えています。
この環境が成立するためには、一定の地域に一定以上の表現者が活動している必要があります(以下「表現者密度」と書きます)。その表現者密度が閾値を超え、環境として自然発生的な相互刺激の環境が成立している地域は、国内に限られた地域だけです。
この表現者密度を増やすために考えられる方法は2通りです
1 表現者が増える
2 心理的な距離感を下げることで、相対的な体積を下げる
そして、表現者密度がかわらないのだとしても、
3 熱量を高めて、移動を増やし、多くの衝突が起こるようにする
ことで、相互刺激の環境を向上させることが出来ます。
本企画は間接的に1を、直接的に2,3の環境を実現することを目的としています。
九州には、九州演劇人サミットに代表されるように、九州各県の表現者が県域を越えた交流を続けてきた実績があり、その土台がある上での福岡・九州地域演劇祭は、上記のねらいに確実に貢献できるものだろうと考えています。
逆にいえば、その実績・土台がない中で、福岡・九州地域演劇祭を名乗ったとしても、看板だけの企画になっただろうと思います。