この記事は2007年12月に掲載されたものです。
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劇場環境の地域格差について思うこと。

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

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印象でいうと、首都圏だと客席数50席刻みで、劇場のラインナップがあるようなカンジである。例えば、福岡でいうとキャパ108席のぽんプラザホールが、首都圏でいえば、アゴラか駅前か王子にあたりそう。

福岡では100前後の劇場が3つ前後あるが、その上となると、250席の劇場があり、その上は400席の劇場(多目的ホール)があるくらい。

首都圏は公共劇場・民間劇場が多いため、利用料金も需要と供給のバランスが働いて、客席数や、設備、立地などを考慮した金額になっているような印象がある。
一方、福岡の場合は、公共劇場はぽんプラザホールが大変に安くて、400席の劇場は、天神の商業ビルの多目的スペースとの均衡を考慮してか、やたら高い。
グラフにすると、そこで傾きが急になるかんじだ。
なので例えるならば一歩一歩着実に前進することができなくて、次のステップへぴょーーんとジャンプして進しかないカンジである。

「小劇場すごろく」という言葉があるが、これは基本的には合理性の高い概念であるとおもう。と同時に、首都圏級の劇場環境でしか、成立し得ない概念だと言える。

劇団が公演する劇場を少しずつステップアップしていく場合、劇団の表現を徐々に改良していけばいいし致命傷を負う可能性も低いだろうが、福岡の場合、100前後での経験しかない劇団が、いきなり250だったり、いきなり400だったりして、それらの劇場が鬼門になっている。

400席の劇場を紀伊国屋ホールか本多劇場に例えるとすると、アゴラ、駅前、王子からいきなり紀伊國屋ホールか本多劇場にいくみたいなもので、これが表現の立場からどういうことにあたるのかは、自分よりも首都圏に拠点をおく人の方がよくわかるだろう。
(もちろん本当に才能がある劇団なら、そういうところもクリアするのだろうが)

しかもこれらのステップアップ先の劇場は、演劇専用ではなくて、展示会であったり、映画の上映であったりとかをやっていて、演劇に特化されているわけではないので、スタッフのアドバイス力の点で、首都圏で例えた劇場とは比較にならない。

スケールメリットが実質的に「演劇専用劇場」の場をつくり、スタッフも多くの演劇の現場経験をつむことができる。

(注:福岡に不利な発言がありますが、福岡がダメだといっているわけではありません。出来る限り地域格差について分析していきたい。という趣旨です。福岡は一事例に過ぎず、首都圏と比較する上で他の地域でも成立する部分が少なくないと考えます。)


劇場環境の地域格差について思うこと。」への1件のフィードバック

  1. fringe blog

    大切なのは失敗に学べる機会

    高崎さんが「劇場環境の地域格差について思うこと。」を書かれていますが、これには少し異論があります。コメント欄をクローズされているので、こちらに書いておきます。…

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