この記事は2006年11月に掲載されたものです。
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間際の招待状

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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招待状をいただくことが多いのですが、最近は「ネットワークユニットDuo」の指摘も認識されてきたようで、小劇場系でも以前より早めに送られてくるようになったと感じます。平均して公演1か月前には届くようになってきたのではないかと思います。

いい傾向だと思っていたら、明日からの連休にある公演の招待状が数日前に届きました。遅すぎるよー。たまたま予定が空いていて行く気になることもあるかも知れませんが、間際の招待状というのは心象を悪くする可能性が高いと思います。

1.ただでさえ連休は予定を入れがち。連休の公演に招待したいのなら、なぜもっと早く送らないのかと思う。制作の未熟さを露呈するようなもの。

2.本当に観たい公演なら、その時期になればすでに自力でチケットを手配しているはず。そこへ招待状が届くと損させられた気分になる。

3.間際に招待状を出すということは、売れ行きが悪くて招待客を増やしたのかと勘ぐられる。自分はどうでもいい招待客なんだと思われる。

マイナス要素のほうが多いので、間際の招待状は出さないほうがベターだと思います。どうしても出したいのなら、間際になった理由を率直に説明し、それでも出したいと思った心境を綴った文章を添えるなど、なんらかのフォローが必要でしょう。それがない普通の招待状が公演数日前にポンと届くのは、百害あって一利なしかな。

他者の予定を抑えたいと思うなら、公演日程の長い商業演劇などより数日間しか上演しない小劇場系のほうこそ、本来は早く招待状を出すべきです。ピンポイントで日時を合わせるわけですから。結婚式の招待状は2か月前には出します。それは、その方に絶対来ていただきたいから。もし結婚式の招待状が数日前に来たとしたら、「非常識」「誰かがドタキャンしてその代理なんだな」と思うでしょう。

演劇と結婚式を比べるのは、決して極端ではありません。金銭的リスクを背負って公演するプロデューサーにとって、それぐらい必死になって当然です。どんな人でも結婚式や就職活動ではアイデアを振り絞り、ベストを尽くしますよね。それぐらいの真剣さがあれば、演劇制作なんて簡単だと思います。