自戒を込めて書きますが、地域演劇の活性化の事業を行っている担当者には、地域の状況を深く洞察し、課題を解決する事業提案と、その事業を適切に執行する能力を持つことが欠かせません。
そのために、担当者には相当の努力・勉強が必要だと思います。他都市の事例についても情報収集し、相対化してその地域の状況を理解することが必要です。
地域の劇団などを実際に活動を行っている人々に広く意見を聞くことも有効でしょう。
このなかでかならずしも、その地域全体のプラスと、個別の劇団のプラスを分けて考えられない人もいるかも知れません。それらの意見を取捨選択する必要もあります。
私は必ずしも、ニーズ調査やヒアリング、アンケート等の手法が必須だとは思いません。直接の目的は各地域の状況に合わせた適切な事業を行うということで、これができているならば、それらの手法はなくても良いかも知れません。
現在、大都市で活躍している表現者やアートマネージャーが地域で活躍する時代が来るとするならば、大都市で培ったネットワークを活用するだけで終わるのではなく、その地域の演劇シーンが真に必要としていることへの分析を絶えず続けて欲しいと思います。