お気づきの方も多いと思うが、制作関連の用語でネットを検索していると、音楽系サークルの資料にヒットすることが多い。地域や大学の交響楽団、吹奏楽部、合唱団などのサイトで、様々な資料が公開されている。決算報告など部外秘ではないかと思われるものもあるが、トップページから普通にリンクをたどれるところも多く、おおらかというか、無防備というか、ちょっとびっくりするくらいだ。
音楽系サークルで本公演に該当するものは定期演奏会だが、同じ舞台芸術だけあって、彼らも動員には非常に苦労しているようだ。その多くが大ホールで1回のみの公演なので、ピンポイントで人を集める難しさは演劇以上かも知れない。メンバー数が多いので手売りはそれなりにはけるが、1回しかない究極の日時指定だからだ。
学生の場合、チケット販売や広告宣伝の注意点をまとめ、後輩に引き継いでいるサイトが散見される。学生なので微笑ましい内容も多いが、それぞれの地域でどんな媒体が注目されているのか、広告費の相場はどのくらいなのかなど、参考になるデータも書かれている。社会人は練習場所やスケジュールの調整が大変そうだ。演劇よりメンバーが多いので、ネットを使った情報共有は彼らのほうが進んでいるようにも見える。Googleカレンダーやwikiの活用も普通だ。参考になるのではないだろうか。
公開目的で作成されているサイトとしては、九州工業大学吹奏楽部、熊本大学体育会吹奏楽部の「情宣活動の手引き」が知られている。前者が平成10年、後者が平成18年の資料だ。序文がほぼ同じなので、後者は前者にインスパイアされて書かれたのだろう。後者で特に目を引くのが自動車教習所との取引で、学生を紹介する代わりに協賛してもらうというもの。メンバーが多いとこういうことが出来るという好例。
キーワードを工夫して検索すれば、ほかにもいろいろ見つかる。ご参考までに。