この記事は2004年2月に掲載されたものです。
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注目の観劇ウェブログ2サイト

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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観客の方々が書かれるウェブログも増えてきましたが、観劇日記をサイトの中心に据えて、鋭い視点で発信を続けているところと言えば、この二つでしょうか。「FeedBack」「Bulkfeeds」の検索でも、いつも琴線に触れるタイトルが飛び込んできます。

まずは、東京の小劇場とコンテンポラリーダンスを中心に書かれている「ほぼ観劇日記」。短めですが的確な批評が書かれていて、非常に参考になります。小劇場ではアーティスティック系の公演を中心にセレクトされることが多いようですが、非常に興味深い観劇傾向で、制作者は刺激を受けるでしょう。マンションマンション世田谷パブリックシアター『屏風』の客層が重なっているなんて、普通はわかりませんからね。

個々の作品に対しては私自身が全く同感の指摘も多く、親近感を覚えます。そうか、「KAKUTAは絶対に今後ブレーク」するのか。頭に入れておきます。

次は名古屋で「演劇界にしがらみのない立場」と書かれている#10(ナンバーテン)さんの「名古屋の小演劇ウェブログ」。別に「名古屋の小演劇スケジュール」も運営されている方です。

最近の記事では、七ツ寺共同スタジオ発行の『voice of NANA II』への批判が読ませます。確かに、劇場で観客全員に配られるフリーペーパーのフロントページに載せずとも、専門誌に寄稿すれば済む文章ではないかと私も思います。

私は劇評自体が創作活動だと考えていますので、「作品に対して言いたいことがあるだけなら劇団に送ればよい」とは思いませんが(それでは劇評の発表にならないので)、観客に興味を持たせる劇評にしなければいけないという主張は、そのとおりです。

演劇評論にも2タイプあって、作品や観客と共に歩もうという視点の方と、自分の書きたいことのダシになればいいという方がいると思います。専門の論文なら後者で構いませんが、一般の媒体で観劇人口を増やすことに寄与しようと思うなら、前者でなければ書く意味がないでしょう。映画なら当たり前のこの棲み分けが、演劇でも常識になってもらいたいものです。

「FeedBack」「Bulkfeeds」のおかげで、私が最初に書いた「ウェブログの可能性」は、意外に早く実現しそうな気がしています。「えんげきのぺーじ」に書いたとおり、両サイトがココログなのも私の思惑どおりです。


注目の観劇ウェブログ2サイト」への2件のフィードバック

  1. p.a.D

    fringeさんのサイトは情報が集まっており、有用性があるのでいつも覗かせてもらってます。私も最近ブログで主にコンテンポラリーダンスの感想を書き始めました。今回のように注目のブログなどを紹介していただけると参考になります。これからもがんがん紹介してください。

  2. #10

     実は私がウェブログを作る気になったのはfringe blogを読んだのがきっかけでした。紹介されて嬉しい反面、こんなレベルでも注目されるというのはまだこの分野が狭い世界であることの象徴だと思います。もっと多くの人が発信するようになってほしいものです。
     なお、私には「劇評自体が創作活動」という発想が無かったので、この指摘は目からうろこでした。参考にさせていただきます。

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