この記事は2006年8月に掲載されたものです。
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劇団零式『返事』

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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劇団零式『返事』(作・演出/新井哲)を7月28日に観ました。ラムネ瓶をモチーフに、多彩なイメージをふくらませた叙情たっぷりの戯曲で、楽しませていただきました。拡散したエピソードを収束させるところが未整理な印象で、そこがまだ荒削りだと感じますが、今後の作品が楽しみな劇作家だと思います。

「優しくも悲しいダイナミックな魂の戯れ」と評される同カンパニーですが、こうした作風は関西では王道です。東京の観客には新鮮に受け取られているようですが、仮に関西で上演したらもう少し厳しい評価になったのではないかと想像します。戯曲の世界観に比べて弱さが残る演出面を含め、さらなる精進を期待します。

逆に「TOKYOSCAPE」の参加カンパニーは、どこも関西ではめずらしい作風とのことで好印象を持っていただけたようです。つくづく思うのですが、東京の観客はもっと関西のカンパニーを観てほしいし(彼らは積極的に東京公演をしています)、反対に関西の観客はもっと東京のカンパニーを知ってほしいです。

舞台上でもラムネを多用したこの作品、メーカーのトンボ飲料が協賛していました。終演後は観客全員に1本ずつラムネのサービスもあり、作品に合わせて俳優直筆の手紙が添えられていました。

公式サイトは見やすいです。直感的なレイアウトで、Flashの使い方が適切だと思います。