蜻蛉玉『頂戴』を3月31日ソワレに観ました。2005年の『ニセS高原から』でこまばアゴラ劇場は使用していますが、単独の本公演としてはこれが初めてになります。
女性らしい繊細な感性の作品で、現在と過去の心象風景が交錯する独特の文体が構築されつつありました。世界観はよく伝わってきましたが、物語を求める私にはやや厳しい面もありました。イメージの積み重ねが悪いわけではありませんが、現段階ではそれが頭でっかちに思えます。そう思わせないための技法をこれから磨いてほしいと思います。五反田団を連想するとの指摘も散見しますので、それも含めてさらなる差別化が課題でしょう。