この記事は2010年2月に掲載されたものです。
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劇場をめぐる”200″というキーワード

カテゴリー: 京都下鴨通信 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 田辺剛 です。

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 わたしの周りだけかもしれませんが、最近よく話になるのは京都にはやっぱりもう少し劇場が必要じゃないかということです。
 京都の小劇場演劇やコンテンポラリーダンスを語るときによく知られている京都芸術センターは、審査制・無料・最長三ヶ月独占可能という稀有な場所ではありますが、ここは稽古場としての施設です。「フリースペース」「講堂」と呼ばれる場所で公演が行われることもありますが、物理的な制約もあって舞台上演の場所として完璧とはちょっと言いがたいのです。

 京都市内には収容可能な人数が実質50人から100人程度という劇場がいくつかあって、その次の大きさになるといきなり400席になります。このあいだ、つまり200席がないものかということなのです。わたし個人としては、関西圏でいえば精華小劇場、大阪市立芸術創造館、伊丹・アイホールのような客席と舞台の空間を確保できる、プラックボックスの劇場があればと思っています。わたしがディレクターを務めるアトリエ劇研はすべてを椅子席にして60席、ベンチシートも組み合わせて80席というところですが、ここで力をつけた劇団やダンスカンパニーが少し大きな劇場に行こうというときにはその行き先がなく、大阪や伊丹に行くというのが現状です。
 以前ならまあそれでも仕方がないかと思っていたところもあるのですが、最近京都市内で劇場をめぐる動きが噂のレベルも含めていくつかあって、いや、もしかしたらありなのかもと淡い期待を持つようになりました。そのなかでも最近明らかになったものをご紹介します。

・「京都会館」50周年で、京都市が再整備構想
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2010011400047&genre=M1&area=K00
・京都駅の南に隣接する「アバンティホール」を市が龍谷大学に有償譲渡
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000075127.html