この記事は2007年1月に掲載されたものです。
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KAKUTAの公演日数増加を評価する

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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私は、2005年9月にKAKUTAがシアタートラム初公演『北極星から十七つ先』を2プロで8ステージしか設定しなかったことを批判しました。KAKUTAクラスのカンパニーがこんな消極的なことでは困ると思い、演劇界の将来のために書きました。

それ以来の長編となる『甘い丘』は、同じシアタートラムで11ステージ。公演日数も5日間から10日間(休演日1日含む)に伸びました。世田谷パブリックシアター共催(舞台と同じ面積を取れる地下稽古場を借りられたはずで、これも大きいと思います)だからこそ実現した贅沢な日程だと思いますが、チケットの売れ行きによっては追加公演可能なタイムテーブルです。小劇場だと5ステ相当になるステージ数増加と、週末を2回含む公演日程は大きな改善です。シアタートラムで10日間やることを高く評価したいと思います。

作品は1月21日に観ました。KAKUTAらしい群像劇ですが、今回は等身大ではなく上の年齢層も描いています。客演以外の俳優の若さが目立つ部分と、女性の視点で描いたテーマ性が群像劇の中でややアンバランスになっている嫌いがありますが、軽快な間とテンポは2時間5分の上演時間を感じさせません。足を運んで損はないと思います。「ポスト自転車キンクリート」の存在感は健在です。

劇団薔薇座出身の高島雅羅氏の客演には驚きました。小劇場系への出演は前例があるのでしょうか。年齢を感じさせない容姿で、高山奈央子氏の姉という設定も納得です。装置は今回からC-COMに外注したようで、これまでと見違えるリアリティでした。