演劇・映像ライターの木俣冬氏が、「ニナガワ・スタジオの人々」という新しいサイトを昨年11月22日から始めました。ニナガワ・スタジオの公式サイトや稽古場日記ではなく、作品がつくられる現場そのものを、第三者がインターネットを使ってリアルタイムに伝えようというもので、木俣氏がつくりたくてつくっている個人サイトです。
蜷川幸雄氏の70歳記念連続公演企画「NINAGAWA VS COCOON」シリーズ(2005年)パンフレットに掲載されたスタッフインタビューが発端になったそうで、既存メディアでは伝えきれないことを発信することが目的です。依頼仕事でもなんでもないので、自分でカンパニー内に賛同者を見つけ、その人たちの表現も含めてニナガワ・スタジオのルポルタージュになればいいとの考えだそうです。
紙幅の都合で収録出来ないインタビュー全文をサイト公開するケースはありますが、ネットで特定カンパニーとの伴走を宣言するケースは非常にめずらしいと思います。木俣氏がやろうとしていることは、ライブが宿命の演劇に最もふさわしいネットの使い方だろうと思います。今後のコンテンツと継続に注目したいと思います。
こうした第三者がいないカンパニーでは、制作者が客観的にサイト構築することが重要になりますが、そのヒントもふくまれているかも知れません。「出来上がった作品よりも現場が好き」という木俣氏のセンスを参考にしてください。