その3:映画/コミックスのベスト5で書き手の趣味嗜好を伝える
匿名・ハンドルネームのレビューを見ていて、読者としていちばん欲しいと思う情報は、その書き手がどんな趣味嗜好を持っているかということです。いくら星の数が多くても、自分と趣味が正反対の人ならどうかと思いますし、ユーザーを登録制にしたところで自作自演や関係者の書き込みを完全に防ぐことは難しいでしょう。ならば自分と近い感性を持つ書き手を見つけ、「この人が評価しているなら観てみよう」と考えたほうがいいのではないかと思います。
そのためには書き手のプロフィールが必要です。初回に登録しておき、名前の部分をクリックすることでポップアップ表示されると便利でしょう。レビューサイトのプロフィールと言えば、観劇歴や好きなカンパニー・俳優を書くことが多いと思いますが、これから演劇を観始めようという読者にとっては、それらは意味不明の暗号です。全国規模のレビューサイトで東京のカンパニーの名前を挙げても、地域の方には実感を持って伝わらないと思います。
演劇を観たことがない読者、地域ごとに異なる演劇事情を抱えている読者にも、その書き手の趣味嗜好を理解させるものとして、私は好きな映画とコミックスのベスト5を挙げたらどうかと思います。これを義務づければ、観劇歴は不要かも知れません。どちらも物語性があり、地域を問わず接する機会があるものです。演劇を観ようという人で、好きな映画とコミックスがない人はいないのではないかと思います。
ベスト5から得られる情報は大きいと思います。あなた自身の好みと重なるところが多ければ、その人が評価しているなら無名の作品でも足を運んでみようという気になると思いますし、逆にあなたが受け入れられない作品があったとしたら、その書き手は信じられないと思うでしょう。長々と自己紹介を書くより、端的に自分と合うかどうかがわかるバロメーターだと思います。
同じ書き手のレビューを時系列に表示させる方法もあると思いますが、これはデータの蓄積が必要ですし、システムにも負荷がかかります。読者の方から、クチコミを蓄積する大手サイトの事例もメールいただきましたが、この提言は投資をして複雑なデータベースを新規開発させるのが目的ではなく、個人でも採用可能なアイデアをご紹介するのが目的です。価格.comや@cosmeを目指しているわけではないので、その点はご理解ください。
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「私ならレビューサイトをこうする」全5回
- 私ならレビューサイトをこうする(1)
- 私ならレビューサイトをこうする(2)
- 私ならレビューサイトをこうする(3)(本記事)
- 私ならレビューサイトをこうする(4)
- 私ならレビューサイトをこうする(5)