現代演劇の話題ではありませんが、渡辺保氏の『批評という鏡』が2月に出版されました。これは「渡辺保の歌舞伎劇評」に掲載されたものを一冊にまとめたものです。ネットでの発表を新聞雑誌より軽視する演劇評論家はいまだに少なくないようですが、そういう人々も渡辺氏の業績は無視出来ないでしょう。
ネットの活用は、発表する媒体を失ったのがきっかけとのこと。批判もはっきり書く渡辺氏だけに、風当たりは相当強かったようですが、個人の責任で劇評を書き続ける氏の姿勢は、ネットの意義と可能性を改めて実感させてくれます。
栗田亘氏による書評(朝日新聞東京本社版3月27日付朝刊)
http://book.asahi.com/review/TKY200503290177.html