この記事は2004年10月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



折込先を選ぶこと

カテゴリー: しのぶの東京晴れ舞台 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高野しのぶ です。

Pocket

 小劇場のチラシは小劇場のお芝居に折り込まれることが一般的です。先日、ひょうご舞台芸術の『やとわれ仕事』を観に行った際に、Nextのチラシの束の中に1枚だけ小劇場のチラシを見つけました。

 「シチュエーションコメディを上演する劇団です」と劇団サイトTOPページで声高に表明している てにどう の次回公演の本チラシでした。てにどうの作品は2003年8月の『バハマの夜』を拝見しましたが、20~30代の若者の他にお年を召したご夫婦等がたくさんいらしていました。内容は一幕もののドタバタ喜劇で、わかりやすい笑いが多くて老若男女を問わない作品だったように思います。アイピット目白を使うのは次回で連続4度目になりますので、常打ち小屋と決めたようですね。全席イス席で比較的ゆったり観劇できるので、年配の方に優しい劇場だと思います(ロビーから劇場まで階段を降りるのがちょっとつらいぐらいです)。

 昨日観たニ兎社『新・明暗』にも、てにどうの同チラシが入っていました。ひょうご舞台芸術にしてもニ兎社にしても一般の手折り込みはないですから、お金をかけて折り込んでいますよね。

 やたらめったら同じ規模(小劇場)の公演に折り込むよりも、作品の内容に類似点があるものを選んで戦略的に折り込む方が、自分の劇団の作風を好んでくれるであろう観客を呼べる可能性が高まると思います。また、折り込むという行為が既に作風の宣伝にもなっていますよね。てにどうの目指す将来の姿が少し見えた気がしました。