この記事は2004年5月に掲載されたものです。
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修学旅行の引率教師に言いたい

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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東京は修学旅行シーズン真っ盛りで、通勤電車にも生徒があふれています。

ラッシュアワーを経験されている皆さんなら共感していただけると思いますが、引率の教師はなぜ、

1.ドア付近に立っている場合は、自分が降りない駅でも一度降りて道を空ける
2.リュックは背中から下ろして前に持つ

ということを指導しないんでしょう。不思議でなりません。毎年同じことの繰り返しで、教師には学習能力がないんじゃないかと思います。

当然起こるべきことを予測し、対応を考えておくのは、制作者も日常的に問われることです。特別なことではなく、常識があれば(観劇の経験があれば)普通に予測出来ることが多いと思うのですが、それさえ出来ない現場があるのはなぜでしょう。制作者以前に、大人としての常識が問われていると思います。

東京への修学旅行では、プロ野球観戦を予定していて雨天中止になることがあります。その場合、グループに分かれて代わりの行動をとるようですが、演劇を当日券で観るというパターンもあります。

引率教師が『ぴあ』で適当な公演を選び、空席があるか電話で問い合わせてくるのですが、仮に入れたとしても、野球観戦の気分になっていた生徒たちに予備知識の全くない芝居を観せることが果たしていいことなのか、逆に演劇を嫌いになってしまうのではないかと危惧します。

私が小学生のときに校長の趣味で『男はつらいよ』を無理やり観せられて、山田洋次監督がトラウマになってしまったのと同じです。

先日も、とある劇場に中学生の大群が訪れ、公演前半で空席があったために入ってしまいました。しかも客席前方に。タイトルが子供向けのように思えたのかも知れませんが……役者もやりにくかったでしょう。収入にはなったでしょうが、これってお互い不幸じゃないでしょうか。

東京で演劇を観せるなら、最初から予定に組み込み、同じ日に上演される複数作品の資料を取り寄せて、生徒自身に選ばせるべきなのです。引率教師にそれぐらいの志があるなら、制作者だって全面協力するはずです。