[トピック]でご紹介した京都新聞の連載企画「劇場空間キョウト」。その第2部がウェブ上にUPされました。「一芸で食らう」のタイトルで、様々な専門職の現状を紹介しています。
小劇場演劇に直接関係ある内容はありませんが、第3回は大劇場のピンスポットを担当する女性センターマンが登場、劇場規模の違いから京都に若手育成の場がないことを指摘しています。第6回は能のワキ方の話で、京都はシテ方約100名に対しワキ方が6名しかいないそうです。狂言方やシテ方に比べ、地味で収入源も限られるワキ方を応援したくなりました。
ちょうど能の世界を描いた成田美名子氏の新刊『花よりも花の如く』第2巻で、シテ方とワキ方の関係を描いたエピソードを読んだところだったので、感慨深いものがありました。能に疎い私でも、伝統芸能が身近に感じられる作品です。
実はこの作品、前作の『NATURAL』(これは高校バスケが題材)のサイドストーリーから発展したもので、これだけ読むと家族関係がわかりにくいかも知れません。でも、能の世界へこれだけ魅力的に導いてくれる作品はちょっとないと思うので、ぜひチェックしてみてください。
白泉社
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成田氏は私が全作品読んでいる唯一のマンガ家です。年齢が近いためか、作品モチーフの変化に親近感を覚えます。作品単位で好きなマンガ家は大勢いますが、作家として共感出来る方です。この作品の影響で、能を観ようという成田ファンも続出。ウェブログ「くりおね あくえりあむ」がその気持ちをよく伝えています。さらに追い打ちをかけるように、愛知県の豊田市能楽堂でこんなイベントが!
2004年12月23日(木・祝) 午後2時~
「能をコミックに」 ~花よりも花の如く~
講師/成田美名子(漫画家)
常々思うのですが、劇評家は好きなマンガと映画のベスト5ぐらいを公開したらどうでしょう。その人の感性が自分に近いかどうか、これほど目安になるものはないと思うのですが。舞台や小説だと目にしていない場合も多いと思いますが、マンガと映画ならだいたいわかるでしょう。私なら、マンガと映画の趣味の合う方が推す芝居は、観てみたいと思いますよ。
能楽情報収集中
「花よりも花の如く」でビギナー能楽ファンとなった私。さっそく、成田美名子さんがコ