ソフトの製作が首都圏に多いことから脚本家の職能を活かした仕事についても同じような格差があるとおもわれます。他にもステージスタッフに関する仕事や劇場に関連する仕事などは劇場数公演数に比例するでしょうから、首都圏とそれ以外の地域では大きな差があることでしょう。
ツアーを行うような演劇公演も多数が首都圏で制作されており、ステージスタッフ、プロデューススタッフがツアーのメンバーとして同行するという機会もあるでしょう。
制作についていえば、フリーの制作者で小劇場系の演劇制作を中心にしながら、生計を立てられるという環境が成立しているのは、おそらく首都圏だけではないでしょうか。
総合的にいえば、演劇を続けやすい労働環境は、圧倒的に首都圏に集中していると言えるようです。
生計たてることを前提としない舞台芸術団体で、初日が近づくと週の単位で連続して終日練習することが一般的というのは、首都圏をはじめとする数少ない地域に留まっているようです。
この練習形態が可能になるのは、裏を返していえば、それを可能にする労働環境があるということも、ひとつの理由になるのではないかと考えています。