この記事は2007年7月に掲載されたものです。
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若手演劇人の文芸界での活躍と大手マスコミの注目

カテゴリー: しのぶの東京晴れ舞台 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高野しのぶ です。

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 ただいま上映中の佐藤江梨子さん主演の映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』は、三島由紀夫賞候補になった本谷有希子さんの小説(もとは戯曲)です。本谷さんは『生きてるだけで、愛。』で芥川賞候補になり、『遭難、』で第10回鶴屋南北戯曲賞を最年少で受賞されました(『遭難、』は岸田國士戯曲賞候補でもありました)。NHK「トップランナー」に出演されたりAERAの表紙になったり、今やすっかり時の人ですよね。

 劇作家が小説やエッセイなどを書かれるのは今に始まったことではありませんが、本谷さんをはじめチェルフィッチュの岡田利規さんや五反田団の前田司郎さんが小説を書かれたりして、今の若手演劇人の文芸界での活躍には目覚しいものがあります。

 そういえば今回の第135回芥川賞候補だった5人のうち、2人が演劇関係者でした。五反田団の前田さんと川上未映子さんです。川上さんは文筆歌手でいらっしゃいますが、ころがす手を離したとき目をつむっていたのかそれとも最初から目はつぶれていたのか~ジャン・ジュネ「女中たち」より』に出演されていました。第132回芥川賞についても荻野さんが書かれていますよね。

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 さて、今回この記事を書きたいと思ったのは、雑誌「ダ・ヴィンチ」2007年8月号でイキウメ前川知大さんの連載『散歩する侵略者』が始まったからです。『散歩・・・』は2005年に初演され、メルマガ号外発行まであと一歩!の感動をもらった傑作でした(私は無料メルマガを発行しています)。
 2006年6月にG-upによって早くも再演され、今年9月には青山円形劇場・AOYAMA FIRST ACTに選ばれた劇団公演があります。チラシに「ダ・ヴィンチ」編集者の方からもひとこと載っており、小説と演劇の両方で『散歩・・・』を楽しめる面白いイベントにもなっています。大阪公演もありますよ。
 ※「ダ・ヴィンチ」では本谷さんの『乱暴と待機』も連載中です。新宿シアターモリエールでの初演が大好きだったんですが、小説も一人称がどんどん変化して面白いです。

 文芸だけでなく、テレビや映画でも活躍される方が増えていますし、大手マスコミが若手演劇人に注目するのも当然かと思います。フジテレビTOKYO★1週間こりっちによる「T★1(ティー・ワン)演劇グランプリ」もその表れでしょう(⇒ただいまの応募総数)。第1次、第2次審査の審査員として、私も微力ながらお手伝いさせていただくことになりました。「TOKYO★1週間」では、本広克行監督がお薦め劇団を紹介する連載も始まっています。応募締切は明日7/24(火)。ご興味のある方はどうぞお早めにご応募ください。
 ※フェスティバルの詳細は公式サイトをご覧下さい。
 ※「お台場SHOW-GEKI城」の内容に関するお問い合わせについてはTOKYO★1週間編集部(03-5395-3474)までお願いします。


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