この記事は2004年3月に掲載されたものです。
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チラシからウェブサイトへのきっかけ

カテゴリー: しのぶの東京晴れ舞台 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高野しのぶ です。

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私がお芝居を観に行くかどうかを決める決定打となるのは大抵の場合、脚本家、演出家、出演者、美術なのですが、最近はチラシも大きく影響します。

本当に何の知識も無くチラシを見ただけで観に行ったことが一度だけあり、それはラブリーヨーヨーの『暗闇から手を伸ばせ』という下北沢駅前劇場でのお芝居でした。表は劇団名と男の子のイラストがババーンと大きく書かれてるのみで、裏は手書きの文字と落書きっぽいイラストだけの極シンプルなものでした。そこにひっそりと「むつかしいこと一切なし」と書かれてあり(もちろん手書き文字)、その若さと潔さがぐぐっと心を動かしたんですよね。もう4年も前のことなのですが今でも鮮やかに覚えています。

今、私が制作をしているRel-ay(リレイ)の7月公演のチラシを作っている最中なのですが、チラシを見ただけで興味を持ってもらえるような言葉を探しています。「観に行きたい」というところまで行かなくても「ホームページをチェックしてみようかな」と思ってくれるだけでもいいんじゃないかしら・・・。

そしてつい先日、一目見て興味を持ち、ホームページをチェックするまでに動かされたチラシにめぐりあいました。残念ながら劇団チラシではなく総合探偵社ガルエージェンシーという探偵会社の広告でした。

まず、チラシの4分の1を覆うほど大きな文字がピカピカの飾りつきで一言↓

しまったと思わぬ先の調査です
あらゆる調査おまかせください
全国800人のスタッフがアナタの依頼に応えます!

なるほど。探偵社ですからね。
中央には髪の毛が全て逆立った樹木希林似の女性の顔のUPがありまして(笑)、その下の文章が私の目を奪い続けました。

●愛に不信を感じたとき
・ストーカーにお困りの方
・行方、所在を探したい方
・裁判資料を収集したい方
・セキュリティーに不安のある方
・盗聴の恐れがある方
・会社の信用調査など

「愛に不信」!? お、面白い・・・。
大真面目にゴシック体で書かれているのがさらに笑いを誘います。
そして極めつけに一言、大きな赤文字(もちろんゴシック)で添えてありました。

→相談はお気ガルに

お気ガル?
なんとダジャレだっ!!

勤め先の愛想のないポストにはらりと入っていた爆笑チラシ。私は自分に全くご縁の無さそうな業種の会社のウェブサイトに即行しました。

お手本というわけではないですが(笑)、紙にお金をかけたりビジュアルにこだわるのも最高に大切ですが、心に何かを残す一言を見つけ出す作業もがんばりたいものだと思いました。