この記事は2006年7月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



Firefoxへの対応

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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fringeはInternet Explorer 6のみで表示確認してきましたが、他ブラウザ利用者の増加に配慮して、Firefox 1.5で画面が崩れないよう対応を実施しました。

これまで[トピック]過去ログ「東京小劇場観劇速報」「制作者は語る」のレイアウトが大きく崩れていたと思いますが、これを修正しました。目立つデザインの乱れにも手を加えました。IEとFirefoxはマージンや位置の解釈が異なるので、100%同じにすることは出来ませんが、これで見やすくなったと思います。確認はしていませんが、W3C準拠度の高い他ブラウザでもある程度改善されたのではないでしょうか。

ただし、これはFirefoxも標準ブラウザにするという意味ではありません。あまりにひどい個所のみ可能な範囲で対応するということです。私は余力のある企業・団体サイト以外は、複数ブラウザに対応する必要はないと思っています。その検証・修正にかかる時間を、コンテンツの充実に使ったほうが読者にとってもハッピーでしょう。ブラウザは無料ですから、ユーザー側が使い分ければいい。サイトのW3C準拠もそんなに大切なことでしょうか。1字間違えれば動かない本当のプログラムとは違い、HTMLはマークアップ言語なんだから、IEで見えればそれでいいんじゃないですか。要は、限られた時間をなにに使うべきかということです。

昔ながらのHTMLで成長した「ほぼ日刊イトイ新聞」を見ていると、やはりなによりもコンテンツの充実だと感じます。8周年でついにリニューアルするそうですが、本当に器より中身だと思います。


Firefoxへの対応」への6件のフィードバック

  1. kiringe

    HTMLはマークアップ言語なんですから、正しくマークアップすればFireFoxできちんと見れます。

    IEでしか正しく見れないというのは、IE独自の仕様にふりまわされているからで、元々おかしい話なのです。

    Mac版IEは開発が終了しました。
    http://journal.mycom.co.jp/news/2006/01/30/343.html

    「IEで見えればそれでいいんじゃないですか」というのは、公共性の高いコンテンツを発信する立場を考えれば、かなり乱暴な発言ではないでしょうか。

    本当に器より中身だと思います。

  2. 荻野達也

    ご意見ありがとうございます。おっしゃることはよくわかりますが、個人サイトの更新時におけるプライオリティの問題として、考えを率直に書いたつもりです。

    Firefoxで意図どおりに表示させようとすると、今度はIEでデザインが狂う場合があります(IEの独自仕様のせいでしょう)。どちらを優先させるかという話になると、私はユーザー数の多いIEを取ります。その代わり、情報として「このブラウザはIEで最適化しています」と明記します(現在もトップページ下部にしています)。Firefoxユーザーはパソコンに詳しい方が多いでしょうから、「これは崩れているんだな」と意識して読んでくれると思います。そして、複数ブラウザ対策の時間をコンテンツ制作に充てたいと思います。

    これはどちらが正しいとかいう話ではないでしょう。例えば、ビデオはVHSがベータを凌駕しましたが、技術的にはベータが優れていたと言う人が大勢います。コンテンツを広める側として、VHSとベータ両方で発売する会社もあれば、VHSしか出さない代わりにコストダウンして安価にする会社もあると思います。後者も一つの見識だと思います。

    IEのMacintosh版が開発終了しているのは承知していますが、fringeが制作者向け専門サイトであることを考えると、ターゲットは明確だと思います。専門性が高い場合、公共性とアクセシビリティは必ずしも比例しないでしょう。制作者でMacintoshを使われる方は、Windowsのこともよくわかっている方が多いと感じます。仮にデザインが崩れても、ご理解いただけると思います。

    もちろん、こうした考えは現在のIEの比率をベースにしたものです。読者の使用ブラウザの割合はログ解析で把握していますので、今後比率が変わるようなら、それに応じた対策を考えねばなりません。IEとFirefoxの割合が半々になれば、全ページが同等に表示されるよう努力すべきだと思います。

  3. 斉藤背伸

    kiringe氏が仰っているのは、IEをとるかFirefoxをとるか、何かを切り捨てるか、苦労してでもあわせるか、ではなく、正しくマークアップすれば、苦労なく、どのプラウザにも準拠できる、ということではないでしょうか。
    VHSかベータか、という択一の議論におきかえられるものではなく、IEにもFirefoxにもOperaにも適合できるHTMLは、正しく普通に、存在していると思います。
    fringeのターゲットが制作者に限定されているとはいえ、無理にIEの仕様にあわせる理由はないかと。
    私自身は恥ずかしながらHTMLに明るくありませんが、想像するに、IEの独自仕様をベースにしながら他プラウザでの最低限を確保する作業の方が困難では。限られた時間の使いどころは、確かに考えようです。

  4. 荻野達也

    IEとFirefoxでレイアウトが崩れる原因は2種類あります。パターン1はIEに記述間違いがある場合。IEは多少間違いがあっても表示してくれるのですが、Firefoxは記述に厳格なため大きく崩れます。これは正しくマークアップするに越したことはないので、私も修正すべきだと思います。

    パターン2は、正しく記述していても表示結果が異なる場合。それが最初にアーティクルで書いた「マージンや位置の解釈」です。別にIEの独自仕様をベースにしているのではなく、正しくマークアップしても結果が違ってしまうのです。Firefox派に言わせれば、これはIEのバグなのかも知れませんが、本当に困ったものです。

    例えば下記ページで紹介されているように、<div>タグと<table>タグが混在すると、マージンをどうしても揃えることが出来ません。http://www.timedesign.ws/blog/archives/2005/02/firefox.html

    この方は<table>タグで統一することで解決されたようですが、サイト設計の基本に関することなので、あとから修正するのは大事(おおごと)です。そのときに、サイト全体をつくり直してまで複数ブラウザに合わせる必要があるかを言いたかったのです。

    現状を申し上げますと、fringeでは相当数のページをつくり直しました。IEとFirefoxの両方でチェックするようになると、Firefoxでのズレが気になって気になって……。ここ2週間は、この作業にかなり時間を費やしました。現在は全ページで同じように見えているはずです。

    私の場合は気になってしまったので修正の道を選びましたが、IEのシェアが高いうちはパターン2を放置するのも一つの見識だろうと思うのです。

  5. 斉藤背伸

     例つきの解説、ありがとうございます。
     レイアウト目的に本来tableを使うべきではない、況やdivと併用してまで、というのはこの手の話題の常套句で荻野さんも充分ご承知のことと思います。
     パターン2もまた、1同様、記述の間違いと考えられませんでしょうか。解釈の違いは確かにありますが、正しく記述されていれば、それほど崩れぬはずです。

     まあ、理想はどうあれ、現状、そのような形態で、直すのにコストがかかり、それが成果に見合わないのなら、荻野さんの選択が悪いとは思いません。
     でもそれは、やはり間違いの上に立った選択ではあると思います。

     制作の立場はまた違うのでしょうが、仮にも芸術表現に携わる人が、多数派ゆえにバグに甘んじたりするなら、舞台で表現されることもその程度になりはしませんか。
     芸術表現が、とある方向の世界観ばかりを表現するとは思いませんが、私の経験上、観劇後「やっぱり多少、間違ってても人数が多い方についた方がいいな」というような、劇を観なくても日常から抱くような感想を与える劇はあまりないと思います。
     逆に(ちょっと単純な話になってしまいますが)「やっぱり、多少苦しくとも、あるべき姿勢を保つべきだなあ。いや実にいい劇をみた」というような新鮮な気持ちになったりする。
     ならば、制作方面も、と思うのです。余力のある企業以外は、というような話がありましたが、いやこういう演劇制作をサポートするサイトこそ、と。

     話はそれて、更に余談ですが。topicsの広告スクロールに関して。どうも、表示がおかしいと思います。firefoxだけかと思ったらIEでも?スムーズスクロールじゃないからと思ったら、そう設定しても。小刻みに震えて、眼に痛い。また、一旦下に流して、上に戻すと、広告部が最上段を占め、他コンテンツへのリンクが押せない、といった害もあります。
     広告が位置を主張するのはいいと思いますが、ヘンな挙動は不快なだけでなく、不便です。是非、改善をお願いいたします。

  6. 荻野達也

    > 制作の立場はまた違うのでしょうが、仮にも芸術表現に携わる人が、多数派ゆえにバグに甘んじたりするなら、舞台で表現されることもその程度になりはしませんか。

    サイトのコーディングを舞台表現に結び付けるのは、いささか乱暴ではありませんか。例えばフレームセットはW3Cでは非推奨ですが、著名カンパニーでもフレームセットを使っているサイトはまだ多数あります。非推奨でも更新頻度が高く、有益な情報が載っていれば、そのほうが評価されるのではありませんか。

    繰り返しになりますが、バグはないに越したことはありません。けれど、現実には限られた時間と予算をどう使うかというプライオリティの問題になります。芸術表現だって、例えば舞台美術を凝りたいけれど、予算の都合で理想の50%にとどめることがあります。舞台美術だけに予算を費やすと、舞台そのものが成立しなくなるからです。戯曲の表現内容についてなら、いくらでも突き詰めて100%を目指せばよいと思いますが、スタッフワークについては、100%じゃなきゃダメというアーティストが正しいとは限りません。

    > ならば、制作方面も、と思うのです。余力のある企業以外は、というような話がありましたが、いやこういう演劇制作をサポートするサイトこそ、と。

    大企業でも、高度なプログラムが動くサイトではIEとNetscapeでしか動作確認していません。3大メガバンクのインターネットバンキングがそうですし、航空会社はJALがMozilla 1.7.3を認めていますが、ANAはIEとNetscapeです。対応ブラウザを増やすと開発費が増大するからで、それは結局利用者にはね返ってきます。推奨ブラウザを限定するのは賢明な措置だと思います。

    fringeは演劇制作をサポートするサイトですから、著作権や権利関係の対応については細心の注意を払っています。それとブラウザをなぜ同一のレベルで論じられるのでしょうか。ネット上にはW3C準拠で書かれていても、コンテンツの中身が著作権侵害のものがあふれています。表現に関わる者としては、そちらのほうがよほど問題だと思います。

    今回は結果的に私自身が気になったのでFirefoxに対応しましたが、IE以外のブラウザで崩れるというご指摘は以前からいただいており、それでも私はプラリオリティの関係で放置していました。斉藤さんのお言葉だと「間違いの上に立った選択」になりますが、それでいいんじゃないですか。

    > 広告が位置を主張するのはいいと思いますが、ヘンな挙動は不快なだけでなく、不便です。是非、改善をお願いいたします

    この件は別の読者の方からもご指摘をいただき、メニューと重ならないようフロートの上位置を指定すると、(1)個別記事にリンクした場合にメニューの高さ分の空白が出来てしまう、(2)Google AdSenseの下が常時見切れてしまい、プログラムポリシーに違反してしまう、などをご説明してご理解いただいたところでした。

    しかし、いま一度方法を考え、document.body.scrollTopがメニューの高さ(100px)を下回った場合に、強制的に100pxにしてやれば解決することに気づきました。直ちに実装し、IE、Firefoxとも正しく動作しています。

    下記ページがヒントになりました。感謝いたします。
    http://www.tohoho-web.com/lng/200001/00010432.htm

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