「地域で活動する演劇人にとって、賞はなかなか縁がない」と書きましたが、関西の数少ない演劇賞に十三夜会賞奨励賞というのがあります。
この名前は関西の演劇関係者、演劇ファンなら耳にしたことがあるでしょう。俳優の経歴などに受賞歴がしばしば登場するからです。けれどこの賞がなんなのか、正確に説明出来る人はほとんどいないのではないでしょうか。私もよくわかりません。
旧・日本演劇学会関西支部(2002年度末で解散)の研究者を中心とした十三夜会による、古典芸能寄りの賞だと思いますが、現代演劇(特に京都)の作品・俳優から選ばれることも多く、今年は劇団M.O.P.のキムラ緑子氏が受賞しました。賞状は色紙に書かれています。
私が疑問に思うのは、主催者はなぜもっと十三夜会賞奨励賞をPRしないのかということです。研究者によるささやかな賞との思いがあるのかも知れませんが、演劇賞が少ない関西では、多くの受賞者が経歴に記載しています。学会誌などには掲載しているのかも知れませんが、プレスリリースを出すなど、もっと宣伝すべきではないでしょうか。後発の関西現代演劇俳優賞(主催/現代演技論研究会)は、毎回きちんと新聞に載っています。
長年、賞の運営を続けられていること自体は敬意を表しますが、存在が広く認知されてこその名誉だと私は思います。この賞を大切に思っている受賞者のためにも、もっと世間に知らしめてほしいと強く願います。