今年1月に「冬のサミット」で東京初公演を行なった福島市の満塁鳥王一座が、今月下旬に2回目の東京公演を行ないます。その会場が、劇団環状七号のアトリエである練馬の「環七の穴」。
東京でもほとんど知られていないこの場所を、彼らはどうやって見つけたんでしょう。知人がいるのでしょうか。そうした会場探しのエピソードを公開すれば話題になるのに、チラシにもサイトにも企画書にも全く触れられていません。もったいないと思います。どこも埋まっていてここしか取れなかったというのなら、それをちゃんと書けばいい。話題は貪欲に自分からつくっていくものです。
遊気舎の東京初公演は、当時は田端にあったdie pratzeでした。ダンス中心の小屋で、ストレートプレイはほとんど前例がありませんでした。「なぜ田端でやるの?」と不思議がられましたが、それを逆に前面に押し出し、大きな話題となりました。表現の世界では、突出したデメリットはメリットと紙一重です。宣伝の仕方でいくらでもよい方向へ転がせます。
人は疑問に感じることから興味を持ちます。なぜ福島のカンパニーが「環七の穴」で?と思わせたら、しめたものです。せっかくのキーワードを使わないのは、本当にもったいないと思います。
東京公演に来て下さったお客さまから「fringeに出てたね」と言われ、嬉々としてのぞいてみたらダメだしでした。しょぼん。
しかもこうして話題づくりをして下さっているのに気付いたのが公演の後。さらにしょぼん。
こうして指摘され、そのような視点すらなかった事に気付かされ、大変勉強になりました。
>表現の世界では、突出したデメリットはメリットと紙一重
東京公演は今後も継続して行うつもりですので、今回の事を教訓に、もっとどん欲に活動していきたいと思います。どうもありがとうございました。