この記事は2009年6月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



小劇場系のルートと商業系のルート

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

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すでに触れらていることではあると思いますが、地域に拠点をおく劇団が、首都圏での公演をする場合に小劇場系演劇のルートと商業演劇系のルートの二つのルートがあると言えそうです。
もちろん、この中間に位置するルートや、これに当てはまらないものもあるとおもいます。

この2つのルートの一例として、以下のカンパニーを挙げたいと思います。
小劇場系のルート:弘前劇場 渡辺源四郎商店 飛ぶ劇場
商業系のルート:NACS ギンギラ太陽’s

商業演劇のルートに乗るためには、高度のエンターテイメント性を備えていて、まず地元で動員的な成功をする必要性があるようです。
一方小劇場系のルートでは、動員的な成功よりも作品のクオリティの高さや芸術性・文学性といった、地元で動員的な成功以外の成功が重視されると言えそうです。

この二つのルートで、大きな違いは、東京公演での客層ということがあります。
小劇場系のルートでの東京公演では多くの動員を得ることは難しく、名前を初めて聞くような他地域の劇団にも響くアンテナを持つかなりの見巧者の率が高くなります。
この場合、観客層の評価は必然的に厳しいモノとなりそうです。
商業演劇のルートでは、数千単位の動員が期待出来、さらに客層も見巧者の割合が下がるため、観客層の評価は一般の観客層の「芝居を楽しもう」という意欲が反映されたものになりやすいかもしれません。