この記事は2009年6月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



あらたな段階を迎えた「C.T.T.」(事務局会議)

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

Pocket

6月18日から20日にかけて、広島に滞在し、
・C.T.T.ヴィジョンミーティング(事務局会議)
・演劇パネルディスカッション「地域にこだわって演劇をしよう」
・(試演会)C.T.T. Selection in Hiroshima vol.2

に参加あるいは観客としてみてきました。

C.T.T.とは「コンテンポラリー・シアター・トレーニング」の略で、3団体が30分の試演を対バン形式でおこなうというものです。C.T.T.事務局は、国内5地域に拡がり、国内の地域演劇シーンに少なからぬ存在感を示しているというべきでしょう。

事務局会議は事務局メンバーに限らず、他地域の制作者も招聘され事務局会議に参加するというものでした。私個人はC.T.T.成果がイマイチよくわかってないというところですが、そのような立場から各種の発言をして欲しいということで、外部からの意見として、思うところを発言させていただきました。
客観的な意見をこのような形で引き出そうとする事務局の志は、決して低くないと言えます。

C.T.T.自体の主目的は「俳優の訓練」にあるとされているようですが、その目的に留まらずさまざまな成果を生み出してきました。と同時に成果の多様化により、主目的を模索するという移行段階にいたって来たのかも知れません。
京都事務局代表の杉山準氏が「七ツ寺共同スタジオ通信+α」で以下のように寄稿されています。

(前略)
C.T.T.は地域間演劇交流の促進という新たな目的を得たと感じています。
(中略)
従来の地方における舞台芸術文化の振興施策は、主に東京から「優れた」演劇を招聘し地域でも見られるようにすることだったように思います。近年その流れは変わってきているように感じます。地域に拠点を置き、そこからすぐれた作品を発表する劇団が現れ、そうした劇団が評価を受けることで、東京に本拠を置かなくても、いいものはできる。
(中略)
地域間のネットワークは生きた情報の共有のみならず、地方からの発進力強化に有効なのではないかと考えています。
(後略)

私は、この考えにまったく賛同するものです。
C.T.T.のスタイルはさまざまな応用が可能で、地域によってアレンジして実施することが出来るでしょう。それが国内の地域間のネットワークを拡げることにつながるのであれば、それは素晴らしいことだと思います。

また、今回のC.T.T.ビジョンミーティングでは、C.T.T.の意義目的成果について体系化して公表すべき段階に来ているのではないか?という意見を表明しました。
すでに、議論は十分に尽くされ、その素材は揃い、あとはそれをまとめるだけだと思います。


あらたな段階を迎えた「C.T.T.」(事務局会議)」への1件のフィードバック

  1. 岩崎きえ

    高崎様
    ご意見をありがとうございます。そしてお忙しい中のご参加ありがとうございました。
    数々頂きました貴重なご意見を次へと繋げ、生かせるよう勤しみたいと思います。
    地域の状況を嘆いたり、自分の地場の土壌の粗悪さを卑下したり、様々な難問に「仕方がない」という言葉で対処することでスマートぶるのではなく、今自分が出来ることに丁寧に向き合って、この土地に少しでもいい演劇が根付ける方法を探っていければと思います。
    ありがとうございました。

コメントは停止中です。