この記事は2004年4月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



地元を客観的に分析する

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

Pocket

福岡地区の小劇場演劇ポータルを目指すFPAP(特定非営利活動法人福岡パフォーミングアーツプロジェクト)サイトに、「福岡の小劇場系演劇状況の概要」というリポートが掲載されています。福岡の実情を具体的数字で示したもので、簡潔で読みやすい内容です。

定期的に公演を打つことが確認されているカンパニー数は20~30、それ以外も含めると60~90だそうです。福岡市文化芸術振興財団の機関誌『wa』には「100を超す劇団があるといわれている」とありますので、ユニットなども入れるとそれくれいになるのでしょうか。

劇場のステップアップは、ぽんプラザホール(キャパ108名)→NTT夢天神ホール(250名)→西鉄ホール(400名)だそうです。

地元の紹介文だと、往々にして贔屓目に書いてしまう場合もありますが、ここでは「エンターテイメント性の少ない、全く新しい表現が公演として継続して成立する可能性は低い」「批評における相互研鑽の場がなく、相対的な情報になりえていない」「行政に頼る発想は自らの可能性を閉ざすのみである」など、驚くほどクールな分析が綴られ、執筆したFPAP事務局長・高崎大志氏の見識が窺えます。

問題点がはっきり見えているということは、次になにをすればいいかがわかっているということ。その意味で期待が持てると思います。各地のポータルサイトがこのようなリポートを用意してくれれば、一読で日本中の状況を把握出来るのですが。