日本経済新聞大阪本社版が、12月2日付夕刊で「精華小劇場、売却の方針」という悲観的な見通しを掲載しました。
日経ネット関西版「存在感と裏腹、支援乏しく──精華小劇場、売却の方針」
存続を願う演劇人と、用地売却に伴う閉鎖を検討している大阪市を対比させる形の記事ですが、気になるのは登場している演劇人が、「演劇人にとっての使い勝手」ばかり強調している感があることです。招聘される側のモダンスイマーズはいいとして、大阪の演劇人はもっと別の視点から発言すべきではないでしょうか。
新聞なのでコメントの一部分だけが引用されている可能性もありますが、社会に対して劇場の必要性を訴える場合、自分たちにとっての使い勝手はなんら説得力を持たないと思います。劇場の公共性をもっと理論武装した上で語る必要があると思います。
そもそも、小劇場が一つ出来たくらいで人の流れが変わったり、にぎわいが創出されるわけではありません。地元商店街が集客効果を期待しているのなら、その時点ですでにボタンの掛け違いが起きています。地域住民による精華小学校跡地活性化協議会に劇場の必要性をいかに共感してもらうかが、大阪の演劇人の緊急ミッションではないかと思います。
精華小劇場を本気で残したいのなら、これは創作活動よりも注力すべき事柄ではないかと思います。