ウェブログ「某日観劇録」が、2日間に渡って「宝くじから考察する芝居の助成について」を掲載しています。地域創造から助成を受けている世田谷パブリックシアター・プロデュース企画『見よ、飛行機の高く飛べるを』から端を発した、助成金の使途に関する話題です。
筆者の六角形氏は純粋な観客の方ですので、客席からはこう見えているという意味で参考になりました。ただ、いくつか事実と異なる部分があったのでコメントを付けさせていただいたのと、助成対象を上演団体にするのか劇場にするのかは私と別のスタンスを取られていますので、持論を書かせていただきました。
演劇に対する助成金は、公演助成、団体助成から劇場助成へシフトしていくべきだと私は確信しています。
コメントだけ読むと、私が公共ホールに理解があるように思われるかも知れませんが、fringe読者の方はご承知のとおり、私は公共ホールには辛口です。民間劇場の経営が成立しない地域での公共ホールの役割は理解しますが、都市部の公共ホールには特別なミッションが必要です。都市部で貸館だけしている公共ホールは、存在価値を認めません。世田谷パブリックシアターや伊丹AI・HALLは先進的公共ホールの具体例として引き合いに出されますが、私に言わせると当然のことをしているだけで、都市部の公共ホールすべてがこのレベルにならないと意味がないと思っています。
財団法人地域創造の初代芸術環境部長で、立ち上げのために財団法人自治総合センター文化振興部長というのをやった小暮宣雄です。荻野さんの解説がじつに適切なので感動しました。荻野さんにこそ、芸術環境部長をしてもらって、あのいまいましいマークとか取り除いてほしいものです。津村さんでも出来ないのだから仕方がないかも知れないですが。
地域自治体が共同してステージをつくるというフレームを92年ごろに地域活性化センターの事業として自治省企画室のときに作った張本人でもあり、地域創造が出来るさいに、手作りミュージアム助成をはじめとする単独事業(これはかってに自分がいなくあんったあと地域活性化センターがお手盛りをしてすいためにつくったもの)をやめようとして上司の抵抗にあい出来なかったことなど悔しかった数年を思い出します。
現在の指定管理者制度の動向も含めて、劇場助成へのシフトのご意見はわたしも基本的に同意見です。ただ、自治体立でもミッションが明確なNPO的劇場がメインになるべきで、そのさい、拠点は持たないアーツNPOも公立劇場と関係する限りにおいて同じく助成すべきではないかと思います。
私も、地域創造がいましなければならないことは、あの金太郎のコミュニティマークを改善することだと思います。デザインもそうですが、使用マニュアルが厳しすぎます。アート系の印刷物に入れられることを考慮しているとは思えない内容です。
これについてはfringe[テーマ]できちんと指摘したいと思い、文章を準備していたところでした。小暮さんの過去の文章も引かせていただき、間もなく掲載いたしますので、ご覧いただければと思います。
地域創造側も、現場の方々はあのマークをどうにかしたいと思っているはずです。それを実現するにはどうしたらいいんでしょう。
少なくとも、そういうマークについての問題点をはじめとして、きちんと現場の意見を公にされることは、とても大切だと思います。
地域創造へと質問状が出せればいいのでしょうが、地方公共団体が単独で出せるかどうか?世田谷とか伊丹、北九州、小出郷など地域創造との付き合いが浅からぬところが連合して出すのが現実的でしょう。
“ハレの劇場”と”ケの劇場”
11月3日に、静岡の東静岡駅から徒歩3分、「グランシップ」というホールに、 チケットをいただいた関係で、能を観に行った。 その能については、その内、観劇レビューに書くとして、 あのホールは一体何なのだと、思わざるをえない。