横浜からの人材育成を目指した「横浜未来演劇人シアター」の第1弾を拝見しました。参加者を募集して固定メンバーで活動していくようですので、カンパニーの旗揚げ公演と言っていいと思います。演劇経験者が多く、実力派の客演も複数招いていますので、感覚としては中堅以上のプロデュース公演を観ているようでした。スタッフ陣は超豪華です。
作成者別アーカイブ: 荻野達也
エンタテインメントの原価
読者の方から、発売中の『日経エンタテインメント!』3月号特集「儲けのマル秘レシピ」が制作者にも参考になると教えていただきました。
各ジャンルの原価を示したものですが、日本映画のスタッフ人件費、コンサート会場の客席単価などが興味深いです。人件費は社団法人映像文化製作者連盟の「映像製作費積算資料」をベースにしているようです。それによると、プロデューサーは月額70~95万円、製作進行は月額45~60万円、企画は1作品20~40万円が平均のようです。企画だけだと意外に安いのですね。予算2,000万円あれば、商業映画らしい作品は撮れるとのことです。
読売劇評でネタバレ
かのこの劇場メモ~半券の余白「新作舞台の評でそれはあり?」を見て、指摘されている読売新聞東京本社版2月7日付夕刊を確認しました。
筆者は演劇評論家の北川登園氏で、終盤の重要な展開が2点はっきり書かれています。男(川平慈英氏)の正体だけでなく、浅野ゆう子氏と佐々木蔵之介氏がどうなるのかまで……。謎解きが主眼の作品でないとはいえ、物語を楽しむ重要な要素であり、新作の現代演劇でまだ公演を2週間以上残している時期に、この記述は配慮が足りないと思います。読売OBで周囲は意見しにくいでしょうが、デスクや校閲は注意すべきだと感じます。
かのこ氏は「ネットならまだしも」と書かれていますが、こういう劇評を目にすると、「ネタバレ注意」を表示するネットのほうがよほどマナーがいいのではないかと思います。
なぜ休日を残すのか
東京公演を続けている地域のカンパニーをネガティブに書くべきか迷いましたが、今回の件は指摘したいと思います。東京国際芸術祭2007参加作品の飛ぶ劇場『正しい街』は、3連休に公演日程を持ってきながら、なぜ土日各1ステ(合計2ステ)しか上演しなかったのでしょう。なぜ祝日は上演しないのでしょう。
黒色綺譚カナリア派『繭文~放蕩ノ吊ラレ作家~』
東京の若手で人気急上昇中の黒色綺譚カナリア派『繭文~放蕩ノ吊ラレ作家~』を観ました。私はこれが初見になります。
唐組出身の赤澤ムック氏が主宰する耽美派集団ですが、だからといってアングラ直系の作品を若手が生み出すのはもはや不可能なはずで、「アングラ的意匠を纏ったサブカル演劇」(「小劇場系」)ということになるのだろうと思います。ただ、今回は新境地と呼べる作風のようです。
トリコ・Aプロデュース名古屋公演
京都のトリコ・Aプロデュース主宰の山口茜氏が、1月から「女三十路直前!ひとりでチケット1000枚行商計画」という特設ブログを公開しています。
トリコ・Aは、次回公演が京都試演会(終了)、東京(若手演出家コンクール2006)、名古屋(第7回愛知県芸術劇場演劇フェスティバル)の3都市ツアーです。この名古屋公演(5/11~5/13、栄・愛知県芸術劇場小ホール)に先駆けて、自ら現地で営業活動する様子を綴ったものです。今後どの程度名古屋通いをされるのかは不明ですが、1月はアルバイト先と交渉して名古屋支店勤務に変更してもらったそうです。
「CoRich舞台芸術!」都道府県別登録状況
「CoRich舞台芸術!」の登録団体(主催者)を都道府県別に表にしてみました。2桁に達したところは背景色をピンクにしています。
実際の団体数と勘案すると、福岡県の積極性が目立ちます。演劇が盛んなはずの東北が寂しい状況ですね。岩手県、宮城県はぜひ登録していただきたいと思います。
東京の445ですが、これは現在活動している団体の約25%に相当すると思われます。ちょっと乱暴な計算ですが、東京で流通するチラシは月300枚程度ですので、12か月で3,600枚になります。1団体が年2回公演すると仮定すると、全体で1,800団体ある計算です。445÷1800×100=24.7%というわけです。団体の数が少なくても、登録率を上げることで存在感を示せます。他府県は、東京の登録率を超えてください。
100万円支援される「CoRich舞台芸術まつり!2007春」がエントリー受付中です。
オーケストラの挑戦
2月5日のTX「ワールドビジネスサテライト」が、オーケストラ経営を特集していました。クラシックブームを追い風に、ポピュラー音楽を取り入れたりカープとコラボレーションする広島交響楽団、日本初の株式会社オケとして2006年8月に設立されたフォンタナ・フィルハーモニー交響楽団(大阪市)を紹介。後者は助成金に頼らず、興行収入による運営を目指す事業計画を伝えていました。非常に刺激的な内容でした。
「心が寒い時、人はどちらを選ぶのだろうか」
「パペット劇場ふらり旅 ~広島~」の「映画というものの何たる敷居の低さよ」は心に残りました。
多機能キャリーカート
制作者にとってキャリーカートは必需品だと思いますが、『DIME』1月9日号が便利な機能を持った製品を紹介していました。そのうち気になる2商品を記しておきます。お値段は少し張りますが、こんなキャリーが欲しかった方も多いのでは。