この記事は2011年2月に掲載されたものです。
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アーツカウンシル検討委員は、特定地域の偏向が過ぎる

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

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 日本芸術文化振興会は日本版アーツカウンシルを導入するため、「文化芸術活動への助成に係る審査・評価に関する調査研究会」を立ち上げました。
 (会の正式名称が長すぎるため、ブログタイトルでは会の趣旨を要約しましたが、正式名称は「文化芸術活動への助成に係る審査・評価に関する調査研究会」)

 私は劇場・音楽堂法への移行も賛成ですし、将来的に道州ごとに設置されるアーツカウンシルに一定の権限を与えるという分権的な方針にも賛成です。この研究会の設置を評価します。

 しかし、どうにも違和感を拭えないのは首都圏の委員があまりにも多いことです。11人の委員中、首都圏の委員が10人を占めているようです。(正確な拠点地域は詳細に調べれば誤差がでるかもしれません)
 私が知る限り、個々の委員が優れた見識の持ち主であることはわかります。ひとりひとりに瑕疵があるわけではない。しかしながら11名そろった名簿を見ると、これはひどい状況と言わざるを得ません。

 これが、東京都歴史文化財団の助成の在り方について検討するのであれば一向に構いません。しかし、議論の対象となるのは、国政府またはその外郭団体が行っている事業です。その助成事業の対象は特定の地域ではなく、日本全体です。
 首都圏に拠点を置く人材は、どうしても首都圏の環境が無意識に設定され、その議論は、東京の抱える課題と対策が反映されがちで、首都圏以外の状況を念頭においた議論が難しい傾向にあります。これは人間の能力の限界というべきで、だからこそ複数の委員でバランスを取るべきです。
 優れた人材が首都圏に集中しているという現状を踏まえるとしても、委員の半数程度であるべきで、半数は首都圏以外の地域から選出するべきです。

 日本芸術文化振興会は、芸文助成の地域説明会場を増やすなど、東京だけ無く全国を見る視点を持っていると考えています。それだけに今回の委員選定については瑕瑾の指摘を免れません。

 重複しますが、個人個人の委員に対して問題視しているわけではありません。私個人が知りうる限り優れた見識の方が名を連ねており、おひとりおひとりでみていくならば選定者の見識に特段の疑問は持ちません。あくまでその総体の地域バランスについての疑義であることを重ねて補足しておきます。

文化芸術活動への助成に係る審査・評価に関する調査研究会 委員名簿(3ページ目)