この記事は2008年11月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



発信力の環境

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

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ずいぶんと期間があきましたが、「芸術文化環境の地域間格差シリーズ」の続きをやりたいと思います。
今回は、発信力の環境ということで、そのカンパニーの存在や公演情報を発信することができる環境について考えたいと思います。

ここは「支援者(団体)の厚みの違い>マスコミ等」とかぶってしまうのですが、やはり東京の一人勝ちということができるでしょう。

カンパニーが自主的に行う発信の環境(Web・チラシ)は大差ないとできるとしても、今の日本が「東京ローカル=中央」という図式になっていて、テレビ・雑誌・新聞などのキーとなる部署が東京にあるため、東京の圧倒的な優位は動きません。このため、東京ローカルで活動するカンパニーが全国区のカンパニーになりやすいといえます。
「関西の芸人は2度売れる必要がある。」という言葉を聞いたことがありますが、全国区になるためには、関西で売れるだけでは不十分で、東京でも売れる必要があるということを指すようです。こういったことはお笑いに限ったことではないかもしれません。
もちろん例外はあるにせよ、相対的に見たときに例外の範囲だと思います。

少し話がずれますが、たとえば、大阪に首都が移転して、テレビ・雑誌・新聞などのキーとなる部署がすべて大阪に移転したとしましょう。いったいどうなるでしょうか。

やしきたかじんのそこまでいって委員会は平日のゴールデンな時間に放送され、たけしのTVタックルが、日曜の午後1時30分から放送されるようになるでしょう。太田光の私が総理大臣になったらは、東京ローカルでしかみられない番組になります。

テレビドラマも大阪でつくられるようになり、関西圏の俳優には多くのチャンスが与えられます。ニュース等の街頭インタビューに出る人はほぼ大阪弁で、大阪ローカルの情報が全国ネットにながれるということになるでしょう。
やがて日本人の多くが、大阪弁を話すようになるかもしれません。

国やその外郭団体がおこなっている各種の助成金の審査員も、大半は関西圏居住の人となり、関東圏のカンパニーも大阪で公演しないと助成金がとれない。という噂がまことしやかに語られるようになるでしょう。

これは、これで面白い環境ですが、このような状態に私は違和感を感じます。と、同時に、
今の日本の環境にも違和感を感じるのです。