先日京都舞台芸術協会の懇親会に参加しました。
この懇親会は、会長(理事長)の鈴江俊郎さんが協会に加盟している団体や個人に「今の京都の演劇状況について語り合いましょう」と呼びかけ始まったものです。わたしはCTTという団体の代表として参加しました。その時は鈴江さんとアマチュア劇団の女性お二人、そして書記の5人でした。「AIR京都」という施設にある6畳くらいの部屋でお話ししました。
京都舞台芸術協会は1996年に設立。2002年にNPO法人化しました。今ある京都芸術センターの設置について作り手の立場で京都市などと交渉を重ねたのはこの協会の設立当時のメンバーである先輩方でした。特に芸術センターの使用を有料にするか無料にするかで、協会はねばり強く交渉したのだと伺っています(そして無料になりました)。もちろん協会の活動はその他にもいろいろとあるのですが、芸術センターが設置され動き始めると協会としても一段落し、それからの活動はスローなものになっていきます。
懇親会では鈴江さんは書記の人とは別にノートにメモをしながら、わたしやもう一つの劇団の方たちの話に耳を傾けていました。もちろん本人も話しますけど。今の芸術センターはどうか、使いやすいか、不便はないか、そのほかの施設はどうか。演劇人同士のつながりは……というような話題で盛り上がった2時間でした(実はわたしは遅刻してしまって1時間くらいしか同席できませんでした)。
協会の新たな活動の目標を定めるにあたって鈴江さんはまずは京都にいる作り手たちの生の声を聞くことから始めたのだと思います。協会に加盟しているすべての団体や個人と話そうとするならとても時間がかかるはずです。ものすごく多忙な方で、わたしが参加したときもすぐ後に遠くへの移動があるのだと足早に去って行かれましたが、それでもそういう地道なことを大切にしようという姿勢といいますか、演劇への愛情といいますか、とにかくわたしは心を打たれたのでした。このような地道な一歩から芸術センターへの実現までつながっていくのだなと。なんだか「鈴江俊郎、万歳!」みたいな文章になっていますが、そうではなく(それだけではなく)、ある程度時間の経った組織はその組織論や運営方法など「カタチ」の議論を始めてそればかりになるうちに組織そのものが形骸化してしまうことがよくありますが、京都舞台芸術協会は少しずつなにか動き始めているぞということをお知らせしたいと思います。わたし自身は今なにか協会で役割を担っているわけではありませんが、今後できることは協力していきたいと思っています。