にしすがも創造舎を巡るエピソードで私がいちばん感銘を受けたのが、廃校を活用した広い施設を管理するスタッフとして、取り壊された法政大学学生会館を管理していた学生たちを迎え入れたという話です。
稽古場施設に限らず、鍵の管理は想像以上にやっかいな仕事です。退出時間後は、施錠と点検に回る必要もあるでしょう。広い施設だと、利用者が帰ったあとに小一時間はこんな作業をしているわけです。退出時間を守らないバカモノがいると、スタッフの帰宅はそれだけ遅れていきます。
限られた女性スタッフ中心のアートネットワーク・ジャパンが、2004年夏からにしすがも創造舎の運営を始めたとき、この点が大きな課題になったそうです。そこで考えたのが、同年4月末に閉鎖された法政大学学生会館の管理スタッフを招くこと。学生による自主管理で知られた同会館には、BOXなど膨大な鍵を扱う管理班があって、学生ながら施設管理のプロフェッショナルだったそうです。しかも同会館のある市ヶ谷キャンパスから西巣鴨は30分かからない。
法政大学学生会館の人材がにしすがも創造舎に引き継がれるなんて、いい話じゃありませんか。グッジョブ!だと思います。