この記事は2004年5月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



「若手公演」は年齢問わず

カテゴリー: 紫川子連れ狼 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は たにせみき です。

Pocket

北九州の小劇場系劇団といえば外せない「夢の工場」が現在準備中の公演は、
劇団内ユニットの「ヒトミシリ」名義のもの。いわゆる「若手公演」です。
その公演の会場が「ログハウス 西風庵」で行われます。1回の観客数は15名限定。

西風庵は「ふらて福祉会」の敷地内にあり、ここは昨年9月に新築されたばかりの場所ということです。
実際は、西野病院と共有の敷地であり、このログハウスも西野病院の院長さんが
「ケアの一環のために」作ったそうです。でも院長さんはとても文化的な方で、アートも大好き。
このログハウスも「何か面白いことに使ってもらえたら」という気持ちが充分あったそう。
そこに、「トクベツな場所で公演したい!」とするヒトミシリとの幸福な出会いがあったようです。
具体的には「ヒトミシリ」メンバーのひとりが病院に勤務していたのが発端。

公演のチケット(予約)は本日で完売。
「観客参加型」のレアな上演になりそうです。

北九州の劇団で、強力な演出家が中心になって10年近くかそれ以上やってきたところは
このところ「若手公演」を積極的に行うようになってきています。

飛ぶ劇場」のオフシアター
C4」(結成は1999年ながら代表のキャリアは長い)のフレッシュパンチ公演
うずめ劇場」の若手公演

などがそうで、くしくも(?)4月に行ったこの「うずめ若手」の公演会場も、病院内のホールでした。
「若手」じゃないけれど「紅生姜」は、野外での語り劇を企画し、再演を重ねています。

「若手公演」では「いつもと違うことしてみたい!」と思うのが常。
しかし特殊な場所を選んだ時は、よっぽどコンセプトを固めて、舞台製作だけでなく
「仕掛け」をガッチリ進めていかないと、作品のデキを左右する「企画倒れ」になりがち。
若手があえてコレにチャレンジすると、大変ながらも「制作場数」として、メンバー全体の
制作スキルアップに繋がることが多いと思います。
私も若手公演はとっても推奨。

まだまだ劇団自体が「若手」のところは合同公演なんかもやってます。
校庭≡」というユニットがそれで、
これも制作チームをまず固めることで、いつもの各劇団公演より「1段上の規模」での成功を収めました。

北九州は、なかなかにプロデュース色の強い企画が多く、
(作品を案内、ではなく「作品をこのように提供」という意識の強さを感じる、ということ)
それぞれの個性が強く出て、多岐に渡る公演を楽しめていると思います。

地元では演劇に限らず「仕掛け人気質」の人が多いなあと感じる出会いに恵まれていますが、
そこが街の「元気の源」だと実感するところであります。