北九州の小劇場系劇団といえば外せない「夢の工場」が現在準備中の公演は、
劇団内ユニットの「ヒトミシリ」名義のもの。いわゆる「若手公演」です。
その公演の会場が「ログハウス 西風庵」で行われます。1回の観客数は15名限定。
西風庵は「ふらて福祉会」の敷地内にあり、ここは昨年9月に新築されたばかりの場所ということです。
実際は、西野病院と共有の敷地であり、このログハウスも西野病院の院長さんが
「ケアの一環のために」作ったそうです。でも院長さんはとても文化的な方で、アートも大好き。
このログハウスも「何か面白いことに使ってもらえたら」という気持ちが充分あったそう。
そこに、「トクベツな場所で公演したい!」とするヒトミシリとの幸福な出会いがあったようです。
具体的には「ヒトミシリ」メンバーのひとりが病院に勤務していたのが発端。
公演のチケット(予約)は本日で完売。
「観客参加型」のレアな上演になりそうです。
北九州の劇団で、強力な演出家が中心になって10年近くかそれ以上やってきたところは
このところ「若手公演」を積極的に行うようになってきています。
「飛ぶ劇場」のオフシアター
「C4」(結成は1999年ながら代表のキャリアは長い)のフレッシュパンチ公演
「うずめ劇場」の若手公演
などがそうで、くしくも(?)4月に行ったこの「うずめ若手」の公演会場も、病院内のホールでした。
「若手」じゃないけれど「紅生姜」は、野外での語り劇を企画し、再演を重ねています。
「若手公演」では「いつもと違うことしてみたい!」と思うのが常。
しかし特殊な場所を選んだ時は、よっぽどコンセプトを固めて、舞台製作だけでなく
「仕掛け」をガッチリ進めていかないと、作品のデキを左右する「企画倒れ」になりがち。
若手があえてコレにチャレンジすると、大変ながらも「制作場数」として、メンバー全体の
制作スキルアップに繋がることが多いと思います。
私も若手公演はとっても推奨。
まだまだ劇団自体が「若手」のところは合同公演なんかもやってます。
「校庭≡」というユニットがそれで、
これも制作チームをまず固めることで、いつもの各劇団公演より「1段上の規模」での成功を収めました。
北九州は、なかなかにプロデュース色の強い企画が多く、
(作品を案内、ではなく「作品をこのように提供」という意識の強さを感じる、ということ)
それぞれの個性が強く出て、多岐に渡る公演を楽しめていると思います。
地元では演劇に限らず「仕掛け人気質」の人が多いなあと感じる出会いに恵まれていますが、
そこが街の「元気の源」だと実感するところであります。