この記事は2009年8月に掲載されたものです。
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続・アンケートの感想欄はもう要らないと思う

カテゴリー: フリンジのリフジン | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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「アンケートの感想欄はもう要らないと思う」と連動したミニアンケートを設けてみた。どなたでもご自由に回答していただきたい。ミニアンケートは旬な話題に影響を受けて実施することが多いが、こうやってブログと完全にリンクさせるのは初めて。相乗効果があっておもしろいかも知れない。他の筆者の記事でもやってみたいので、リクエストがあれば知らせてほしい。ちなみにfringe forumでユーザ登録すれば、こうして自分でミニアンケートを開設可能だ。

先の記事には、感想欄は観客の思いを受け止めるために必要とのご意見もいただいた。確かにその場でどうしても伝えたい言葉というのはあるだろう。ただ、私の経験で言うと、そうした観客はたとえ感想欄がなくても、余白にメッセージを記すのではないかと思う。私自身は感想欄をなくしたことはないが、マーケティング関係の設問を多くして感想欄を狭くしたことがあった。どうしても書きたい観客は欄外や裏面に書くだろうと思ったからだ。結果は予想どおりだった。

アンケートについては、[ナレッジ]に2001年に書いた記事がある。感想欄が要らないと書いたのは今回が初めてだが、それ以外は同じ趣旨の内容だと思う。01年当時は、稀に書かれる酷評の重要性を訴えたが、現在はそれがネットに移行し、その後「アンケートを読まない」と公言する演劇人を結構見かけるようになったので、今回の考えに至ったわけだ。

私自身、20代のころはアンケートを熱心に書いた一人だった。どの公演でも時間をかけすぎ、気がつくと客席で最後だったことが多い。褒め言葉だけでなく、出入り禁止を覚悟して酷評をその場で書いたこともある。制作者になってからも、そうした観客の思いを受け止めようと、退出時間が迫ってもまだアンケートを書いている観客がいるうちは、追い出しは絶対かけなかったし、回収するときは必ず裏面を向けて集めるようお手伝いさんを教育した(酷評でも出しやすくするため)。アンケートの文面自体も工夫を凝らし、回収率は関西小劇場界有数だったと思う。そうしたアンケートの意義も経験し尽くした上で、それでも時代と共に変わるべき点があるのではないかと思ったのだ。