JR関係の観光キャンペーンは多数ありますが、中でもJRグループが総力を挙げて送るデスティネーションキャンペーンは一味違います。その地域に関心がない人をも呼ぼうという気迫がみなぎっています。冬の京都は固定ですが、それ以外は数年前から準備が始まり、今年は千葉(2月~4月)、岡山(4月~6月)、北東北(7月~9月)、山口(7月~9月)と実施されています。自治体も誘致に必死のようです。
普段は行こうと思わない地域に足を向けさせるには、単に観光地やイベントの紹介だけではダメで、そこにストーリーがなければなりません。その点、岡山は内田百閒をキーワードに、出身の著名人11人が「新しい旅のスタイル」を語る構成で、群を抜く出来栄えでした。私は紙のパンフレットも駅で見掛けましたが、思わず持ち帰りました。他地域のサイトと比べてみてください。
普段演劇を観ない人を呼ぶ宣伝も、同じことではないでしょうか。写真や文章を並べるだけでなく、「仕事帰りに劇場へ行く」という新しいライフスタイルの提案が必要ではないかと思います。