この記事は2007年7月に掲載されたものです。
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企画公演でのクオリティ担保

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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演劇制作はクオリティの高い作品を生み出すのが大前提で、このプライオリティが逆転することはないと思います。当然のことですが、どのような企画であれクオリティの担保に制作者は全力を尽くすべきですし、そのクオリティが伝わるような宣伝をしてほしいと思います。

同じ演出家による複数本立ての公演や同時公演というものがあります。もちろん充分な準備と勝算があって企画されているものだと思いますが、素朴な疑問として「それって演出にかける時間が物理的に減るのでは」と感じる場合があります。演出家が不眠不休で稽古したり、演出に専念するため再演や既製戯曲にしたり、スタッフを増強しているのだと思いますが、ならば企画の面白さを強調するばかりではなく、そうしたクオリティの担保についてもメッセージとして伝えることが重要ではないかと思います。

企画の面白さだけが強調されたチラシや企画書を見ていると、「制作者が演出家を過信しすぎでは……」と思うこともあります。演出家を信頼するのはいいけれど、それを客観的に観客に伝えるのが制作者の役割であって、特に実績の少ない若手演出家がこうした企画公演を行なう際は、もう少しフォローがあってもいいのではないでしょうか。具体的表現になると難しいですが、そこが腕の見せどころだと思います。